引用元:filmarks.com
2018年にニューシネマワークショップの実習作品として制作されたショートムービー
高校生の時のお昼ごはん
思い返してみると、毎朝母親から昼食代として500円貰っていた
学食で最も安い一品(うどん等)、或いは菓子パンで済ませ、そのお釣りを貯めて洋楽のレコードを買っていたけれど、空腹で困った記憶も無ければ、「誰と食べたのか」という記憶も無い
というのも、夕方の部活の為に、昼休み中にグラウンドを整備するミッションもあって、心落ち着く時間ではなかったのだ
高校二年生の真由美(渡辺優奈)は、内気な性格でクラスにもまだ馴染めないでいる
声を掛けて貰って一緒に食べ始めたランチも、友達のは「ポークピカタ」などが入ったお洒落なお弁当なのに、父親の仕事の都合で祖母(藤井正子)とふたりで暮らしている真由美のお弁当は純和風
「毎日お弁当作るの大変でしょ」と気遣うフリをして断ろうとしても、祖母は「コンビニで買うのはもったいないでしょう」と真由美の思いに気付いてくれない
ある日お弁当を手で隠して食べていると、目の前の女友だちからは「ちょっとセンスないかも」と、そして教室で騒いでいた男子からは「ババ臭っ」と言われてしまう
次の日からは、保健委員の仕事があると嘘をついて、何処かひとりでお弁当を食べられる場所を探すものの、人目に付かない場所はカップルが来たり、鍵がかかっていたりしてなかなか見つからない
ついには女子トイレの個室で食べ始める真由美だったが、隣の個室から声をかけられる
オトナからすれば、お弁当を揶揄われても平気(そもそも冷めたポークピカタよりも、きんぴらごぼうの方が断然ご馳走)だし、何よりもトイレで物を食べることはできないだろうけれど、女子高生には独自の価値観とプライドがあるのだろう
それにしても高校二年生にもなって、クラスメイトのお弁当にケチをつけるなんて(映画の悪者にしても)残念過ぎる
明日は、サウジアラビアの映画をご紹介