引用元:amazon.co.jp
1979年の作品
ワイン、というよりもブドウ酒がこぼれているイラストと、タイトルロゴが、時代と作品の洋風テイストを表現している
原作はエラリー・クイーンの「災厄の町」
裕福な家庭が暮らす場所を、アメリカから山口県の萩に替え、浮世離れした妻や娘たちの暮らしぶりを描くことに成功している
舞台を東京にしてこの話を再現するのは(一般的な市民との距離が取れないという理由でも、西洋の雰囲気が損なわれるという意味でも)難しいだろう
萩に暮らす唐沢家(光政、妻のすみ江、そして三姉妹の麗子、紀子、恵子)に、ボブ(蟇目良)というアメリカ人がやってくる
ボブは日本の文化を学ぶために、叔父の光政(佐分利信)のところに居候するつもりで来日したという
和やかにボブを迎え入れたいところに、次女の紀子(栗原小巻)はふさぎ込んだ様子で水を差してしまう
彼女は藤村という男性(片岡孝夫)と結婚直前まで行きながらも失踪され、以来三年間も引きこもりの生活を続けていたのだった
ところがその藤村が突然唐沢家に帰って来る
当然光政は激怒するも、紀子は大喜びで何とか父親を説得し結婚まで漕ぎ着ける
母屋のすぐ隣に建ててもらっていた離れに荷物を運び込んでいた時、紀子は本の間に挟まれていた手紙を見つけ、狼狽する
その様子に明らかな異変を感じ取った恵子とボブは、紀子が出かけた隙にこっそり手紙を盗み見る
手紙は三通あり、どれも藤村の妹の智子(松坂慶子)に宛てられたものだった
40年以上前の作品というのに、(唐沢家の生活は一般市民とはかけ離れた暮らしぶりとはいえ)当時の日本が如何に西洋の文化を採り入れていたのか窺える
本作で描かれている「今よりもモダンな」暮らしは、西洋の真似事の範疇ながらも、煌びやかな魅力を感じさせる
明日は、「クルマの運転には気をつけよう」と改めて思う作品をご紹介