2月は良い映画の上映が目白押しで、危うく観逃しそうになりながらも、何とか劇場鑑賞した作品
久しぶりに恵比寿ガーデンシネマまで観に行ったのだけれど、案の定(ここで観る時は必ずと言って良いくらい時間に余裕が無い)駅からダッシュしてギリギリ間に合った
舞台は、2011年の中国甘粛省の村(↓ 地図)
省の範囲が広すぎて、どこなのかわからないけれど、主人公の家の近くに砂漠地帯があることから、北側なのかと想像
農村の貧しい家庭に、四男として生まれたヨウティエ(ウー・レンリン)は、中年になった今も独身
邪魔者扱いされながらも、三男の家庭に世話になっていたが、クイイン(ハイ・チン)という女性と見合いすることになる
クイインという女性には障害があり、かなり内気なことから、「厄介者」を片付けてしまおうという、両家の思惑もあって見合い話はトントン拍子に進んでいく
奥手ながら、実直で働き者のふたりは、次第に気持ちを通わせ始め、仲の良い夫婦になる
麦やトウモロコシなどを育て、自らの手で家を作り、ロバや鶏を飼いながら、人付き合いは最低限に抑えながら、暮らしていく
しかし、小さな幸せを築いていく夫婦に、周囲は余計なことを吹き込んだり、頼み事をして、翻弄する
人生の不条理を噛みしめるような中国映画には、時々出会うけれど、本作も間違いなくその良作群のひとつ
しかし、大抵の作品では、(ハッピーエンドとまではいかなくとも)小さな幸せを見つけて終わるところを、本作の不穏なエンディングは、それらと大きく異なる印象を与えている
観終わってから、暫く「、、、、、」という風に、頭は回転しているけれど、何も考えられない時間を過ごしてしまった
主人公のウー・レンリンは、本作の舞台となった甘粛省の農村で暮らしている農民
妻役のハイ・チンは、撮影に入る前の10か月を、役作りの為、ウー・レンリンの家で過ごしたという
本作は、中国国内で若い世代にアピールし、興行収入トップになる
2011年という時代設定だけに、彼らにとってもリアルに響いたのだろう
明日はルイジアナが舞台の映画をご紹介