無人島シネマ

毎朝7時頃更新 忘れてしまうには惜しい映画 と雑記

413. マフィアは夏にしか殺らない

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引用元:amazon.co.jp

 

2020年に新型コロナウィルスの感染者が急増した時、欧州で最も大変そうだったイタリア

 

そんな中、シチリア島パレルモでは、マフィアの関係者が市民に食料を配っているというBBCのニュースがあった

 

政府が出来ないことをやっていると好意的に捉える人も、その施しにすがる人もいたのだろうけれど、彼らはいつかその恩を返してくれと言ってくる(ハズ)

 

それは「〇〇さんに投票してくれ」というお願いかもしれないし、「お店を買い取らせてくれ」というものかもしれない、いづれにしても彼らがより基盤を強化するための「何らかのお願い」に協力させられることになるのだ

 

 

 

 

 

2013年のイタリア映画

 

この作品を説明するには「マフィアを題材にしたコメディ」となるのだろうし、ストーリーは主人公の少年が転校してきた少女に惹かれ続けるというもの

 

しかし、少年が大人になるまでの間ずっとマフィアの存在が常に関係し、みんなの生活に大きく影響を与えている

 

 

舞台はシチリアパレルモ

 

この島で70年代からマフィアが組織化し、警察や判事そして市民らとどう関わってきたを少年アルトゥーロの目からリアルに描いている

 

島の大人たちは「マフィアなんていない」とか、「夏にしか殺さないから冬は大丈夫」などと言う

 

そして明らかにマフィアによる犯罪が起こっても見て見ぬふりをする

 

小学生のアルトゥーロには不思議でしかたがない

 

 

転校してきた美しい少女フローラに心を奪われてしまい、マフィアのことなど忘れていたアルトゥーロだったが、犯罪の多さに耐えかねてフローラの家族がスイスに引っ越してしまうと聞き、告白することさえできなかったアルトゥーロは愕然とする

 

 

それから数年が経ち、フローラは代議士の秘書として島に帰ってきた

 

アルトゥーロは何とかフローラと接点が持てる仕事にあり着き親密になろうとするも、政治とマフィアの繋がりを信じない理想主義のフローラと、毎日の生活にマフィアの影響を感じながら島で暮らしてきたアルトゥーロでは、分かり合うことにも無理があり、、

 

 

 

イタリアンマフィア映画は数多くあるけれど「ゴッドファーザー」も「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」も舞台はほぼアメリ

 

冒頭で、コメディとか少年が美しい少女を想い続けるとか書いたけれど、イタリアでのマフィアの存在をリアルに描いたドキュメンタリー的な要素こそが、本作の一番の「ウリ」なのかもしれない

 

フローラ役のクリスティアーナ・カポトンディの美しさも忘れてはいけない