引用元:Yahoo!映画
先日観た「偶然と想像」の素晴らしさに感動し、そして複数の新鮮なアプローチに驚かされたこともあって、同監督の「寝ても覚めても」を観てみた
10分持たなかった、、複数の出演者の違和感のある関西弁
話し方そのものなのか、それを含めた演技なのかわからないけれど、珍しくストーリーに入り込む前にギブアップしてしまった
何とか持ちこたえて最後まで観れば感動できたのかもしれないけれど、同じ監督の作品とは正直思えなかった
そんなこともあって微妙な心持ちで鑑賞(ヒューマントラストシネマ渋谷にて)
舞台演出家の家福(西島秀俊)は、やり甲斐のある仕事と脚本家である美しい妻、音(おと、霧島れいか)との生活に満足していた
娘を4歳で亡くしてしまう不幸を何とか乗り越え、これからもふたりで暮らしていこうと考えている
妻のある隠された部分には触れないようにして
ところがある日、彼が遅い時間に仕事から戻ると妻が床に倒れていた
それから二年後、広島で行われる演劇祭の演出をオファーされた家福は、愛車である赤いサーブに乗り、亡き妻の吹き込んだ台詞のカセットテープを聴きながら広島に向かう
村上春樹による短編をベースにした179分の大作
原作にはない設定やエピソードを多数盛り込みながら、その世界観を一切損なうことなく仕上げている(辛口そうなイメージのある全国のハルキストも納得?)
かなり遅れてクレジットが流れるまでの長いオープニングから、普段冷静な家福が感情を爆発させる熱いラストまで、ずっと集中が途切れることはなかった
圧倒されてしまった
「偶然と想像」で短編映画の新たな可能性を示してくれた監督の手による、短編小説をベースにした素晴らしい長編映画(脚本は大江崇允との共作)
描かれる世界や人物が無機質で洗練されていて、ともすれば「薄っぺらな」印象になりかねないところを、岡田将生演じる若手俳優の高槻や、同じく演劇チームのアジア人俳優達(パク・ユリムやソニア・ユアンなど)が巧くバランスしている
数年後にゆっくり観直したい