無人島シネマ

毎朝7時頃更新 忘れてしまうには惜しい映画 と雑記

185. レス・ザン・ゼロ

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引用元:amazon.co.jp

 

1987年のアメリカ映画

 

エルヴィス・コステロのヒット曲と同じタイトルからして、イギリスの音楽好きの若者を描いた作品だと勘違いしていた

 

実際にはロサンゼルスに住む上流階級の若者のストーリー

 

 

一緒に高校を卒業したクレイと恋人のブレア、そして親友のジュリアン

 

クレイは東部の大学に、ブレアも進学するつもりがモデルの仕事を始めてしまい、そしてジュリアンは父親のコネで音楽プロデューサーの仕事を始める

 

クレイは、ロスを離れてからブレアをジュリアンに奪われてしまい、半年後のクリスマス休暇に複雑な気持ちで帰ってくる

 

するとジュリアンはコカインにはまり父親からも勘当され、売人のリップから多額の借金までしていた

 

 

ジュリアンを演じたロバート・ダウニーJr. は、私生活でもドラッグ問題を抱えていて8歳の頃から(!)ドラッグを使用、これまで6回の逮捕歴がある(しかし俳優業はその後もずっと年一作品以上に出演している)

 

 

時代のスナップショットとしての存在理由が大きく、真っ当な評価を2021年にするのは難しい作品という印象

 

 

 

実際、アメリカでのコカイン使用率は1984頃から激増する

 

粉末コカインが供給過多により価格が暴落したため(売り手としては)法を犯してまで扱う意味がなくなり、手ごろなクラック・コカイン(煙草で吸引できる)が普及し始める

 

そのブームも1990年を前にして(あくまでクラックとの比較では)身体への悪影響の少ないマリファナに移行したことや、処罰の厳格化、そして経済が安定してきたことなどから収束していく(そしてアメリカ経済は90年代を謳歌していくことになる)

 

 

不思議に思うのは「ドラッグの普及」と「不況」がシンクロするのは(厳しい現実から逃げ出そうとするという意味で)理解できるけれど、どうしてそこにジュリアンのような富裕層も含まれるのか?

 

個人の経済状況よりも「どれくらいい身近で入手できるか(どれくらい身近にディーラーが存在するのか)」という物理的な理由によるのかもしれない

 

そして「厳しい現実からの逃避」とはいっても「厳しい現実=貧困」とは限らないということか?

 

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