無人島シネマ

忘れてしまうには惜しい映画 および雑記

89. 半落ち

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2004年公開、横山秀夫原作の作品

 

現役警官の梶(寺尾聡)が、アルツハイマーの妻を殺害したと警察に出頭してくる

 

志木(柴田恭兵)が取り調べを担当することになり、梶もあっさりと殺害について供述したこともあって、事は簡単に進むかにみえた

 

ところが「殺害から自首するまでの二日間」については完全に黙秘し、志木は(現職警官による殺人事件としてマスコミの注目を浴びることは避けられないこともあって)焦り始めていた

 

そんな時に新しい手掛かりが浮上してくる

 

妻の殺害後に、梶が新宿の歌舞伎町に行っていたと思われる証拠が見つかったという、、、まるで誰かを庇う為に黙秘しているように見えるが、もはや妻も息子(白血病で亡くなっている)も失った梶にとって誰を庇う必要があるのか

 

 

複雑で、かつ大きな展開のあるストーリーだから、後半の流れに違和感を持つ人もいるかもしれないが、そこを考慮しても全体的に観る者を惹き込む力強いストーリー

 

その原作は、直木賞の候補に挙がるも受賞には至らなかったという

 

優れた作品が必ず受賞できるものでもないけれど、その理由が事実誤認(実際には誤認とも言えない)というのには驚かされた

 

論文ではなく小説の選考だというのに、、まったくどうかしている

 

直木賞だけではなく、権威を持ち過ぎるのも考えもの

 

昔と違ってひとりひとりの声が反映される世の中でもあるし、自分が観たい映画や読みたい小説を探す術はいくらでもある、作り手にしてもそれを励みにする時代でもないだろう

 

無理に反発する必要もないけれど、どうかしていると思えば距離を置けばいい

 

 

ところで「半落ち」という聞き慣れない言葉は関心を引くし、内容的にも相応しい、素晴らしいタイトル

 

もし海外の選考会に出品するならどういうタイトルになるのだろう?