引用元:Yahoo!映画
2008年のアメリカ映画
ニューヨークでCMの音楽制作をしているハーヴェイ・シャイン(ダスティン・ホフマン)は離婚して以来、単身生活を続けている
一人娘の結婚式にロンドンに招待されるも、元妻はもちろん娘さえも新しい父親に懐き、皆で楽しそうに盛り上がっているのを見て、淋しい思いをする
もちろんこうなってしまった原因はハーヴェイ自身にあった
人付き合いが下手な上に独善的で余計なひと言も多く、仕事でも過去の実績はともかく同僚やクライアントから煙たがられていた
式の前夜、会食に集まったレストランでも(仕事とはいえ)携帯電話を手放せず皆を呆れさせ、娘にも「ヴァージンロードは今の父と歩く」と言われ、ショックを受ける
ついにハーヴェイは娘に、「式には出席するが、仕事があるから披露宴には出席せずニューヨークに戻る」と告げる
案の定、当日はひとり蚊帳の外といった雰囲気で過ごし、式の途中でタクシーを拾いヒースロー空港に向かったものの、フライトがキャンセルされ仕事に間に合わず、ついにはクビになってしまう
最悪の気分で、空港レストランのカウンターでお酒を飲み始めた時、後ろのテーブルで本を読んでいた女性ケイト(エマ・トンプソン)に声をかける
原題は「Last Chance Harvey」
他の映画と間違えそうな(2012年には「最高の人生のはじめ方」という作品もある)邦題よりもずっと良い
老いていくことに上手く折り合いが付けられないハーヴェイ役を、ダスティン・ホフマンがリアリティーたっぷりに演じている
意地やプライドが邪魔をして、自らの衰えやそれに伴って社会の中でポジションを譲っていくことを受け入れられないでいる初老の男性
ハーヴェイのように周囲と摩擦を起こすか否かは別にして、誰しもに起こる現象
それまでずっと頑張ってきたからこそのプライドであり、葛藤なのだ
ハーヴェイを観ていると「自分はできるだけスマートに」などと思う必要はないと勇気づけられる