引用元:Yahoo!映画
ドイツ・ルクセンブルク・フランス合作 2015年の作品
チリのピノチェト軍事政権下で、ナチスの残党パウル・シェーファーと結びついた拷問施設コロニア・ディグニダに、反体制分子として捕らえられてしまった恋人を救いに自ら危険な施設に潜入するという実話をベースにしたストーリー
ルフトハンザ航空のCAレナ(エマ・ワトソン)は、フライトでチリに来た機会を利用して、恋人でありジャーナリストのダニエル(ダニアル・プリュール)に会いに行くも、タイミング悪くクーデターが勃発し、ダニエルは反体制分子としてコロニア・ディグニダに入れられてしまう
レナはダニエルを助け出すために意を決して施設に向かうが、入ってすぐに農業コミュニティを装っているこの施設は、(危険どころか)暴力によって支配された決して生きては出られない恐ろしい場所だと知ることになる
作品では(潜入が)1973年の出来事になっているが、実話では1996年に施設を抜け出した少年の両親が告訴したことによって、この施設の実態が世の中に知られることになる、、、ピノチェトが大統領を辞任して事実上失脚したのは1990年だからその6年後の出来事だと思うと(しかもその脱走が失敗していたら今でも密かに続いていたかもと思うと)ゾッとする
個人的には87年にリリースされたスティングのアルバムに収録されていた「孤独のダンス」でピノチェトの大量虐殺を知り、その後に深田祐介の「革命商人」を読んで自由選挙によって樹立されたアジェンデ政権をピノチェトがクーデターで転覆させたことを知った頃とほぼ同時期、、、コロニアについては当時知る由もなかったということになる
イギリスでは事実と異なる部分を指摘されたりして評判が良くなかったらしいけど、些末なことを議論する前に(主演がエマ・ワトソンでなかったらそれなりの評価を得られたかもしれない 彼女の演技に問題があるわけじゃなくて彼女の人気が仇になってしまったという意味で)多くの人に観てもらいたい作品