無人島シネマ

毎朝7時頃更新 忘れてしまうには惜しい映画 と雑記

450. 四畳半タイムマシンブルース

 

初めての一人暮らしは、京都市右京区の、大学から歩いて10分程の距離にある、古い木造アパートだった

 

面倒見の良い年配の大家さんが所有していて、家賃は破格ながらもクーラーが付いているのが何とも有難かった(京都の夏は本当に蒸し暑い)

 

そのアパートには、四畳半~六畳の部屋が、全部で10部屋くらいあった

 

隣の部屋には三重出身の、困るくらいにお節介で優しい先輩が住んでいて

 

同じ階には、静岡から来た物静かな先輩(週末の朝のお祈りの時間だけは物静かではなかった)

 

そして不在が多くて、結局一度も顔を合わせることが無かった社会人

 

ひとつ上の階には、赤穂市からやって来た、おとなしいけれど外交的な同学年生などが住んでいた

 

クラスメイトやバイト仲間を部屋に呼んで遅くまで遊んだし、その部屋でたくさん本を読んだり音楽を聴いたり映画(ビデオ)を観たり、時には勉強も(笑)した

 

 

 

 

森見登美彦の小説「四畳半神話大系」と、上田誠の戯曲「サマータイムマシン・ブルース」を融合させたアニメ

 

シネクイントにて鑑賞

 

 

ある夏の日、大学生の「私」が暮らす京都左京区のアパート「下鴨幽水荘」で唯一のエアコンが(悪友の小津がコーラをこぼしたせいで)使えなくなってしまう

 

後輩の明石さんと対策を相談していると、ぬぼっとした風貌の見知らぬ男子学生・田村が現れ

 

「25年後の未来から、タイムマシンに乗ってやって来た」

 

と言う

 

早速、タイムマシンで昨日に戻り、壊れる前のリモコンを取ってくる(そして快適な涼しさを取り返す)ことを思いつくが、、

 

 

 

いわゆるタイムマシンものだから、辻褄を合わせるために過去と現在と未来を行ったり来たりするドタバタ劇

 

アクの強いキャラクターたちが、話をどんどん面倒くさい方向に持って行くお陰で、主人公の「私」は、振り回されっ放しだけど、最後はそれなりに報われるというか、「ああ、良かった」と思っている間に涙腺が緩んでしまった

 

 

ちなみに先述の木造アパートは、二年後にバイト代を貯めて退去した

 

引っ越し先の、少し大学から離れた新築マンションは快適だったけれど、今思い出せることは、木造アパートの半分も無い

 

京都に帰りたいなあ

 

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