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「リトル・ミス・サンシャイン 」で好演をみせたポール・ダノの主演
彼が出演している「それでも夜は明ける」も、「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」も作品の始まりから最後まで重苦し過ぎるので、まずは比較的観易い本作をピック・アップ
話は80年代の自動車販売店から始まる
車を買いに来たビーチ・ボーイズのブライアン(ジョン・キューザック)は、魅力的な販売員のメリンダ(エリザベス・バンクス)と出会う
惹かれ合ったふたりはデートを繰り返し、親密になっていく
ところが、ブライアンは病を抱えていて、担当医のユージン(ポール・ジアマッティ)がデートに同行する上、言動までも監視するようになる
ユージンから執拗にその必要性を説かれるも、メリンダは不自然な治療法に疑問を抱き、ブライアンに大量な薬が投与されていることを家政婦からつきとめる
時は戻って60年代
若いブライアン(ポール・ダノ)はビーチ・ボーイズのメンバーとしてシングル・ヒットを連発していた
他のメンバーがツアーに出掛けている間に、ツアー嫌いのブライアンはスタジオ・ミュージシャンと共にスタジオに籠り、伝説のアルバム「ペット・サウンズ」を作ってしまう
しかしこのアルバムの曲は難解で、今までのポップな世界観と違うとして他のメンバーから賛同を得られず、新作に自信を持っていたブライアンは失望し、孤立してしまう
父親でありバンドのマネージャーでもあるマリーとの確執も、耐えられないレベルにまで達してしまい、ブライアンはドラッグの世界にはまり込んでいく
天才として、また心優しい男性として描かれながらも、暴力やドラッグ、ストレスから過食などで壊れていく様を描いたこの作品、よく本人から許可が下りたものだ
ちなみに薬漬けでブヨブヨのブライアンを演じているジョン・キューザックは、「セイ・エニシング」で主演を務めていたあの爽やかな男性
「ハイ・フィデリティ」のレコード店主役とは結び付くけれど、このブライアン役を演じている彼が同一人物とは思えない
良さが理解できるまで何年もかかった名盤「ペット・サウンズ」
映画の中で有名なミュージシャンを演じるのは(観る側の期待が高いこともあって)普通はなかなか難しいけれど、この名盤を作ったブライアンの映画だからと、かなり期待して鑑賞した身としては、二人の演技に感謝するしかない
2014年のアメリカ映画