引用元:amazon.co.jp
2011年の作品
ずっと前から観ようとは思いながらも
「元気のある時に、、」
と言い訳(いつも元気なクセに)してきたけれど、やっと観ることができた
PCのコールセンターで働く幹夫(堺雅人)は、仕事もソツなくこなし、朝は自分でお弁当を作る
お弁当に入れるチーズの種類と、身に付けるネクタイは曜日ごとに決められている
妻の晴子(宮崎あおい)は漫画家ではあるけれど、唯一の連載も読者の反応は芳しくない
ふたりはペットのイグアナ(名前はイグ)と一緒に仲良く暮らしていた
ある日、いつもの様にお弁当を用意しながら「イグ、お前はいいなあ 食欲があって」
と幹夫が嘆く
最近は夕食も美味しそうに食べないし、腰が痛い背中が痛いとこぼしていたことに晴子は思い当たり、翌朝幹夫が「死にたい」とつぶやくのを聞き、病院に行かせる
心因性うつ病と診断された幹夫は、医師から「うつ病は誰しもがかかる可能性のある心の風邪、元に戻るまでには半年から一年はかかる」と言われる
それでも「自分が辞めるとまわりに迷惑が、、」と、ストレスの多い職場を離れようとしない幹夫に対し、晴子は
「会社を辞めないんだったら離婚だよ」と告げる
鬱を患う本人はもちろん、サポートする側の苦労も描かれているけれど、決して暗くはなく、またそれに伴う経済的な問題等にはフォーカスされていない
娯楽映画としてよく考えられたバランスであり、この方が(シリアスに作るよりも)言いたいことが伝わると思う
と好意的なコメントだけで終わろうと思ったけれど、気になる点がふたつ
ひとつは、稲刈りの様な伏線の回収と、漫画のキャラクターが空を舞うCGは、過剰に感じられた
もうひとつは、妻の晴子が夫を、ツレと呼んでいること
人前でそう呼ぶのは気にならないけれど、ふたりで過ごしている時にツレと呼ばれるのは堪えると思う(幹夫は受け入れているのか、気にならないのか、その呼び方に特別な反応はしない)
家族の一大事にちゃんとSOSを発信し、サポートし続ける善き妻ではあるけれど、冒頭から彼女の「無自覚に無神経な部分」が引っかかる
それもキャラクターの一部として描きたかった(少なくとも宮崎あおいはそこも含めて完璧に演じていたと思う)ことであれば感服するしかないけれど、どうなんだろう?
タイトルにもなっている手前、仕方ない気もするけれど、この無神経さが、ツレという呼び方に象徴されているように感じられた
明日は、大好きなキアロスタミ監督作品を紹介します