無人島シネマ

毎朝7時頃更新 忘れてしまうには惜しい映画 と雑記

495. 闇の子供たち

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引用元:amazon.co.jp

 

2008年のタイを舞台(一部は日本)にした日本映画

 

梁石日の同名小説が原作

 

 

タイ北部の山岳地帯に生まれたヤイルーンは、家計の苦しさから8歳の時に親に売られてバンコクに連れてこられる

 

ヤイルーンはバンコクの売春宿で海外からの旅行者を相手にさせられる

 

田舎の両親はヤイルーンを売って得たお金でテレビと冷蔵庫を買った

 

それから1年、エイズになり商売道具にならないとみなされたヤイルーンは、黒いごみ袋に入れられ、処理場に捨てられる

 

 

日本の新聞社からバンコクに駐在している南部(江口洋介)は、タイでの臓器提供をテーマにした記事を本社から依頼され、NGO団体でボランティアをしている音羽宮崎あおい)らと共に取材を進めるうちに想像を遥かに越える暗い闇に近づいていく

 

 

 

覚悟はしていたものの、観始めてからすぐに(吐きそうなシーンの多さに)さらなる覚悟を強いられた作品

 

実際に複数の登場人物が複数の理由や状況で吐くシーンもあり、観るのにも体力(と気力)が必要

 

バンコク国際映画祭での上映が直前になって中止された作品、、、「そりゃそうだ」とも思うけれど、果たしてこれはタイの恥部なのか?という話

 

本作がノンフィクションか否か(事実としては、公開時にはノンフィクションと宣伝しながらもその後削除)については客観的に判断する問題で、議論すべきは本作で取り上げた内容が現実社会ではどうなのか?だろう

 

その議論においても正義や倫理の前に、客観的事実と周辺の環境(状況)の理解から始めないと、音羽の熱意が空回り続けた様に無駄に遠回りしてしまう気がする

 

 

最後に、

 

 

 

このエンディングはどうかと思う

 

最後まで飽きさせないエンターテインメント作品としては成立しているのかもしれないけれど(ノンフィクションを少なくとも匂わせている作品において)このエンディングは神経を疑う

 

しかし「だから観ないでね」というのではなく「だけど観てね」という作品