引用元:amazon.co.jp
その昔、新入社員で入った会社には、テレックスなるものが存在した
タイプライターのようなキーボードが付いた通信機器で、メッセージを打ち込み送信すると、指定した相手のテレックスから印刷される、「FAXの前身」のような通信機器
ふたつの違いは、FAXが電話回線を使って「画像」を信号化して送信する機器であるのに対して、テレックスは、同じく電話回線を使って「タイプした文字」を信号化して送信すること
FAXならタイプした文字だけでなく、手書きの文字でも画像でも送信できるし、通信時間も短くて済むことから、既にテレックスは「ほぼ使われない通信手段」だった
会社の先輩たちは、欧米や香港・シンガポール向けには eメールやFAX、それ以外の西アジア向けにはテレックスを使っていた
「テレックスの使い方を覚えなくて済むのはラッキー」くらいにしか思っていなかったけれど、今では「一度くらい使ってみたかったな」という気もする
1992年の作品
「仄暗い水の底から」以来(?)の日本のホラー映画
監督は黒沢清
「スパイの妻」がヒットしたお陰なのか、本作はデジタルリマスターされている
監督だけではなく、俳優陣も(今となっては)豪華なキャスティングで、地獄の警備員を演じているのは松重豊、他にも大杉連、内藤剛志、長谷川初範などが顔を揃えている
商社に就職が決まった秋子(クノ真希子)は、絵画取引を扱う十二課に配属される
同日入社した社員はもう一人、警備員として働くことになった元力士の富士丸(松重豊)
富士丸は過去に殺人を犯していたが、精神鑑定の結果、無罪になっていた
警備の上長に指示で、気に入らない社員の静粛を任されていた富士丸だったが、その凶暴性は上長にもコントロールできないものになっていく
富士丸は次々と社員を殺していき、オフィスの電気や電話回線も切断する
窮地に陥った秋子たちが、外部に助けを求めるために使った手段がテレックス
取引先のニューヨークに、テレックスでSOSを送る
秋子たちは果たして助かるのか?
ストーリーはかなり粗挽きだし、松重豊が元力士で大柄な警備員という無理な設定ではあるけれど、バブルの残り香のような雰囲気も楽しめて、今こそ価値が評価されるのでは(?)と思う逸品
明日は、「年末だし、こんなのも観たくなる」という映画をご紹介