無人島シネマ

毎朝7時頃更新 忘れてしまうには惜しい映画 と雑記

733. 658km、陽子の旅

 

 

20数年前、「叶えたい夢がある」と反対する親を振り切って、青森から東京に出て来た陽子(菊地凛子

 

もうとっくに夢は諦めて、フリーターとして何となく毎日を過ごしていたけれど、ノコノコ帰るわけにもいかず、以来父親とは会っていない

 

ある朝、自宅アパートで寝ていると、従兄の茂(竹原ピストル)が訪ねて来て、「伯父さん(陽子の父)が亡くなった」と言う

 

昨夜、運悪く陽子の携帯が壊れてしまい、連絡がつかない状態になっていた

 

アパートの前に停めた車で待ってくれていた茂の妻子と一緒に、一路青森まで向かうことに

 

ところが、途中のサービスエリアで、茂の子供が怪我をしてしまい、慌てて病院に行く際に置いて来た陽子とはぐれてしまう

 

所持金わずか2千円の陽子は、ひとりヒッチハイクをして青森を目指す

 

 

 

 

菊地凛子の父親役にオダギリジョーというキャスティングについては、最初は違和感があったけれど、スクリーンに登場するのは42歳の陽子と、(陽子が実家を飛び出した)当時42歳の父親

 

「家を出てから(当時の父親と同じ)42歳になるまでが、あっという間で、、」

 

と青森に向かう車の中で、陽子が(問わず語りに、絞り出すように)語るシーンが印象的

 

子供がつまらない意地を張るものではないなあ、とは(当然)思うけれど、陽子には、それが必要な時期だったのかもしれない

 

 

 

ジム・オルークによる音楽も素晴らしい(これでさらに彼の元にオファーが来るんだろうなあ)

 

 

ユーロスペースにて鑑賞

 

上映後には、熊切監督、菊地凛子オダギリジョー、浜野謙太、竹原ピストルによる舞台挨拶もあり、撮影秘話などが聞けた

 

「本当に良い映画が撮れた」という実感が、全員から伝わって来るようだった

 

 

心揺さぶられる、数あるロードムービーの中でも特別な作品

 

劇場で観られて、キャストの話も直接聞けて、本当に良かった

 

 

 

明日も、舞台挨拶のあった作品をご紹介

 

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