無人島シネマ

忘れてしまうには惜しい映画 および雑記

96. グランド・セントラル

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引用元:amazon.co.jp

 

タイトルからも上のポスターからも想像することは難しいけれど、原発をテーマにした2013年フランス、オーストリア合作品

 

 

これまで職を転々としてきた青年ゲイリー(タハール・ラヒム)は、原子力発電所の作業員として働くべく、身体検査、書類のサイン、さらには講習を受けて働き始める

 

新人として、主任のギレスやベテランのトニーにアドバイスを受けながら仕事を覚えていくゲイリーだったが、ふとしたきっかけからトニーの彼女キャロル(レア・セドゥー)と関係を持ってしまう

 

 

職場は危険極まりなく、放射線汚染量が一定数値を越えた同僚は、次々とその場を去っていく

 

彼らにとってそれは「食い扶ちを失ってしまう」ことを意味する

 

そしてゲイリーにとっては「キャロルとの別れ」にも直結する

 

 

人目を避けながらキャロルとの密会を続ける間にも、ゲイリーの身体は少しずつ汚染されていき、やがて偽装工作をしてまでも今の生活を続けようとする

 

 

キャロルと密会する湖でのシーンでは、美しい自然の中で抱き合う二人のバックに不気味に聳(そび)え立つ原発が見える

 

この作品に明白なメッセージは無く、危険を冒して勤務を続けること、先輩の彼女と深い仲になること、そして退廃的で刹那的な生活を送る同僚たちに対しても、良いも悪いも無く、唯々、ある種異常な生活が流れていく背後に、暗喩のような原発がある

 

 

 

仲間内でふざけ合っている時の会話で、同僚のあだ名を

 

「チェルノからフクシマに変えたら?」

 

という台詞にゾッとさせられた

 

 

 

身近な問題として現実を再認識させてくれる 

 

 

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