引用元:iwanami-hall.com
理学療法士として働くエリザ(セリーヌ・サレット)は、幼い息子を連れて自宅のあるパリからダンケルクに移り住む
それは自身の生みの親を見つけるためのものだったが、やっとのことで辿り着いた結論は「実母は匿名を希望しているので公開できません」というもの
納得のいかないエリザは、この街で生活を続けながら模索していく
そんなある日、息子の通う学校の職員アネット(アンヌ・ブノワ)が、彼女の患者として来院する
腰や背中の不調を訴えるアネットに施術を重ねるうち、エリザは不思議な感覚に囚われていくようになる
優秀な理学療法士で容姿も整っているエリザには、里親に大事に育てられ、優しい夫と可愛い息子がありながら、いつもどこか不満そう
日々の生活でも、感謝も反省も無い反面、自身のルーツがわからないというストレスからか、自己主張が強め(鑑賞中に彼女に感情移入することが難しいほど)
反面、学校の子供たちに容姿を揶揄われながらも誠実な態度を保つ、アネットとの対比が面白い
初回の施術で、エリザがアネットを抱え込むような体勢があり、何度目かの施術の最後に、アネットが再びそれを希望するシーンがある
エリザが、そのリクエストをスルーするのが何を暗喩するのか、理解は難しいけれどストーリーの核に感じられて印象的
原題は「Je vous souhaite d’être follement aimée」で、「あなたに(しっかりと)愛されたい」という意味らしい
少し軽く、ぼんやりした邦題が残念
それにしてもフランスで子供を育てるのは本当に大変そうだ
明日は、上京する娘の為に部屋探しをする、父親を描いた作品をご紹介