無人島シネマ

毎朝7時頃更新 忘れてしまうには惜しい映画 と雑記

549. シェルブールの雨傘

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引用元:amazon.co.jp

 

1964年のフランス映画

 

最初から最後までミュージカル形式で会話され、普通の台詞はナシという画期的な作品

 

 

 

2013年にデジタル修復されいて、雨傘店のウィンドウや自宅の壁や調度品、セーターやワンピース、雪の降る街並みや港の様子まで、すべてのシーンが美しい作品だから、鮮明な映像で観られるのは本当に嬉しい

 

フランスのある企業が協賛することでこの修復作業が叶ったというから、企業の社会貢献のひとつの形だろう

 

お金が余っている(?)日本の企業も、是非真似してほしい!

 

 

 

 

北西部の港町、シェルブールに住むギイ(ニーノ・カステルヌオーヴォ)は自動車整備工として働いている

 

雨傘店の手伝いをしているジュヌヴィエーヴ(カトリーヌ・ドヌーヴ)とは、将来結婚を誓っていた

 

母親からは、「まだ早い」と結婚を反対されているけれど、女の子が生まれたら名前はフランソワーズにしようなどと、幸せな結婚生活を夢見ていた

 

時はアルジェリア戦争真っただ中、ギイにも二年の召集令状が届き(↓ の映像の様に)ふたりは永遠の愛を誓ってシェルブール駅で別れる

 

それからほどなくして、ジュヌヴィエーヴは妊娠していることを知る

 

吉報を手紙でギイに伝えるも、戦況は悪化の一途を辿り、帰国の予定もたたないまま月日は流れ、ジュヌヴィエーヴは以前から求婚されていた宝石商のカサールに心を開き始める

 

そして(自分の子供ではなくとも)娘を一緒に育てよう、というカサールのプロポーズを受け入れ、結婚してしまう

 

 

 

ミュージカル形式は、男女が惹かれ合う前半は自然にはまっているけれど、悲運の後半はシリアスさを中和する要素になり、そこに哀愁たっぷりのテーマ・ソングが流れ、結果としていいバランスの娯楽作品に仕上がっている

 

主演のカトリーヌ・ドヌーヴ出世作(歌は歌手による吹替)

 

 

 

明日は、再びフレンチ・フィルム・フェスティバルから