無人島シネマ

毎朝7時頃更新 忘れてしまうには惜しい映画 と雑記

965. ポルトガル、夏の終わり

引用元:eiga.com
 
2019年のアメリカ・フランス・ポルトガル映画
 
原題は「FRANKIE」
 
舞台はポルトガルの避暑地シントラ(ロカ岬まではバスで40分)
 
山中にある別荘でのシーンが多いけれど、見たことのない枝振りの大樹や何もない海沿いの道(崖と海と空以外)が美しく、映画の雰囲気を盛り上げている
 
 
 
その別荘の持ち主、フランキーことフランソワ・クレモント(イザベル・ユペール)は有名なベテラン女優
 
それまで何とか持ち堪えてきた癌が拡がり、ついに自身の死が近づいていることを感じ、一族全員と親友のアイリーン(マリサ・トメイ)をシントラの別荘に呼び寄せる
 
皆には死期が近づいていることは知らされておらず、突然の招待を燻しがる者、面倒がる者もいる中、フランキーは最期の思いを行動に移していく
 
富も影響力もあるフランキーとはいえ、お願いされる側にも仕事や家族、それ以前に意志があり、なかなかフランキーの思うようにいかない
 
 
 
 
ストーリーの中心にフランキーが居ることで、他の参加者の割とバラバラなエピソードもバランス良く観られる
 
彼女が皆の為を想って、苦心して、提案したり助言したりするのだけれど、ちょっとお節介が過ぎたり、言い方にトゲがあったり、押し付けがましかったりするのと、
 
皆も基本的にはフランキーの顔を立てようとは思いながらも、素直に従うには少しひっかかりものがあって、、、という塩梅が何とも言えない
 
起承転結どころか、避暑地での微妙に噛み合わない会話が繰り返される淡々とした話だけれど、何とも言えない味わいのある作品
 
 
明日は、コミカルなイーストウッドが楽しめる作品を紹介します