無人島シネマ

忘れてしまうには惜しい映画 および雑記

126. パンドラの匣

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引用元:amazon.co.jp

 

2009年の作品

 

太宰治の原作は、1943年に病苦により自殺した彼の読者(太宰と文通していた)の病床日記が元になっている

 

 

第二次大戦中、虚弱な自分は「役立たずな余計者」だと考えていた利助(染谷将太)は、終戦によって意識を新たにするとこともあり、結核の治療に専念する為に「健康道場」に入所することにした

 

山奥にあるその結核療養所は、いささか変わった雰囲気で、患者だけでなく看護婦にもひとりひとり仇名をつけて呼び合っている それだけでなく毎日の声掛けも

 

「やっとるか」

 

「やっとるぞ」

 

「頑張れよ」

 

「ようしきた」

 

というかなり機械的ではあるものの、明るく和やかに毎日が過ぎていく

 

利助もここでは「ひばり」と名付けられ、自分に好意を持ってくれている(らしい)新任の婦長、竹さん(川上未映子)のことを意識し始める 

 

 

 この「機械的ではあるものの、明るく和やか」というのが独特のテンポと空気を生み出すことに成功していて、本来なら(患者が死を身近に感じている)重苦しくなりがちな本作全体をコミカルに仕立てている

 

目立ち過ぎないレトロモダンな衣装も作品の印象にぴったり

 

「洋服があれば世界は劇場になる」

 

というコンセプトの独自の世界観を持ったブランド、シアタープロダクツによるもの

 

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