無人島シネマ

忘れてしまうには惜しい映画 および雑記

121. ホテル・ニューハンプシャー

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1984年のイギリス、カナダ、アメリカの合作

 

ニューハンプシャーは、ニュー・イングランド地方にある州で、自然に囲まれ、人口の9割以上が白人で、平均世帯収入が全米7位という、いわゆるニュー・イングランド地方のイメージ通りの州

 

地元出身のジョン・アーヴィングの小説が原作

 

珍しく小説を先に読んでいたので、最初に本作を鑑賞した時には、(小説の心地よい読後感が残っていたせいか)長編を無理やりコンパクトな映像にまとめたような違和感があったけれど、今回十数年振りに観直してみたら(小説の記憶が薄れただけかもしれないけれど)これはこれでよく出来た映画だと思った

 

 

ホテルを経営するベリー家の物語

 

ユダヤ人のフロイトが経営する、クマの曲芸が売りのホテルで、アルバイトをするウィンは、バイト仲間のメアリーと仲良くなる

 

その後ウィンはハーバード大を卒業、教師の職を得て、メアリーと結婚し、5人の子宝に恵まれるも、いつか(熊の居る)ホテルを経営したいという夢を持っていた

 

そんなところに売りに出ていたメアリーの母校である女子高(廃校)の校舎を見つけ、ウィンは(家族が一緒に居られることを口実に)ホテルの経営を始めるために女子高を買い取り、「ホテル・ニューハンプシャー」と名付ける

 

そんなベリー家の子供たちは、長男のフランク(ポール・マクレーン)は同性愛者、長女のフラニー(ジョディ・フォスター)は美しくて気が強く、次男のジョン(ロブ・ロウ)はそんな姉が大好きで、次女のリリー(ジェニー・ダンダス)は成長の止まった文学少女、そして耳が不自由な三男のエッグ(セス・グリーン)と、なかなかの個性派揃い

 

学校でいじめられたり、不良グループに乱暴されたり、いろんな不幸に見舞われながらも力強く育っていく

 

ホテル経営は当初こそ順調だったものの、祖父の急死以降はうまく行かず、ある日、長い間音信不通だったフロイトから「熊の居るホテルを入手したから経営を手伝ってほしい」と頼まれ、これもチャンスとばかりに一家でオーストリアに移住する

 

しかしメアリーとエッグは(家族とは別フライトにしていた)ウィーンに行くフライトで飛行機事故に遭い、死んでしまう

 

 

文字にすると悲惨な出来事ばかりの様にみえるけれど、(どんなに辛いことが起こってもいつもと同じように明日が来る、と言わんばかりに)一家は逞しく、時には楽しそうに生きていく

 

今の時代はこの頃には存在しなかった新たな「生き辛さ」もあるけれど、人の逞しさ(しぶとさ?)は相変わらずであってほしい

 

 

自分の中ではまだ小説に分があるけれど、次はまた映画にしたいと思う