無人島シネマ

毎朝7時頃更新 忘れてしまうには惜しい映画 と雑記

948. 鉄くず拾いの物語

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引用元:filmarks.com

 

2013年、ボスニア・ヘルツェゴビナ・フランス・スロベニアの合作

 

 

ボスニア・ヘルツェゴビナに住むロマ族のナジフと妻のセナダは、ふたりの娘と四人で貧しいながらも幸せに暮らしていた

 

ナジフは拾った鉄くずを売ることで何とか生計を立てていたが、三人目の子供が生まれることがわかり、セナダは激しい腹痛に苦しむ

 

病院に連れていくと、五か月になる胎児は、既にセナダのお腹の中で亡くなっていた

 

すぐに手術をしなければ母体も危険だと診断されるも、保険証を持っていないため、ナジフには980マルクもの大金は払えず、必死に看護師に食い下がるも却下されてしまう

 

ナジフは妻の命を救うために、必死で鉄くずを拾い集める

 

 

実話を元にした作品

 

ナジフとセナダが本人役で出演している

 

ナジフは映画出演した後も、鉄くず拾いの職に戻ったものの、仲間からは疎外され、また怪我を負ってしまい、仕事を辞めてしまう

 

生活は再び困窮を極め、映画祭で得たトロフィーを売却したお金で2018年にべリリンに行くも、難民申請の際の罰金支払いにより、帰国を余儀なくされ、翌年2月に亡くなっている

 

 

 

ボスニア・ヘルトェゴビナは、もともと農業国だったところ、内戦で農地が使えなくなり、ヨーロッパの中でも最低の就業率と言われている(何年も国勢調査が行われていないせいで、正確なデータさえない状況)

 

また縁故採用の問題が酷く、役人が縁故採用するだけに留まらず、その影響力を拡大するために公的セクターの働き口を増やしていることで、一般国民の就業は一層難しくなっているという

 

国という船が沈んでいく中で、船長自らが身内に良い席を与えようと奔走するなんて何とも愚かしい気がする 

 

 

明日は、ニュースキャスターの意外な一面を描いた作品を紹介します

 

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