
渋谷の光塾という地下にあるイベントスペース(?)で上映された、濱口監督の初期作品
冒頭、寒空の下を歩く女の子
周囲に誰も居ないのと、幹線道路を走る車の音の大きさに紛れるように、大声で独り言を発している
何かに怒っているようにも聞こえるも、その内容はとりとめが無く、ひとりの子供の視点を越えた客観性さえもあるように聞こえる
そこに割って入るように、自転車で女の子に追いついた男の子が声をかける
何してるの?という風な会話から、男の子は「年賀状書いたよ」と言い
女の子は「え、嘘、私は(誰にも)書いてない」、「でも書くね 今日出せばお正月に届くよね」
そして男の子は「わかんない 受験勉強もあるから書かなくていいよ」、「もし書くんなら俺だけじゃなくみんなにも書けよ」
という他愛もない、中学三年生同士の年末の会話が交わされた後、ふたりは別方向に別れ、女の子はトンネルの中を歩いていく
そしてトンネルを抜けると、さっきの男の子と、もう一人その友達の男の子に出会う
男の子は「年賀状届いたよ」
もう一人の男の子は「俺には届いてない」
わずか13分、ロケーションは東京郊外の一本道で、キャストは子役が三人というショートムービー
つい「ハッピーアワー」や「ドライブ・マイ・カー」を観直したくなるくらい、この短い作品の中に濱口ワールドが詰まっていた
本作の前に上映された「ホノルル」も近日中にアップします
明日は、美しい茶畑の風景が楽しめる作品をご紹介
(本作の予告映像は見つけられなかったので、他作品も含むレトロスペクティブを)