
引用元:hulu.jp
今年の11月8日に亡くなった仲代達矢
代表作は「七人の侍」、「用心棒」、「椿三十郎」、「切腹」、「二百三高地」など挙げればキリがないのだろうけれど、圧倒的な内容とボリューム感から、個人的には本作の印象が強い
五味川順平の同名小説が原作
小説では6部構成ながら、映画の方は各2部づつの、いわゆる3部作として上映
計9時間31分にも及ぶ長さは、当時のギネスブックにも載り、この3作を続けて上映したのが、日本の映画館でのオールナイトのハシリと言われている
そんなにも長いと知っていながら、「切腹」に感動して、同じく小林正樹が監督した本シリーズを(勢いに任せて)鑑賞
まずは第一部・純愛篇、そして第二部・激怒篇(呆れるほどにストレートなネーミング)
満州調査部で、共に働いていた美千子の想いを知りつつ、(明日にも召集令状が届くかもしれないと)結婚の意思を固められないでいた梶(仲代達矢)
戦争に否定的な考えを持っていた彼は、友人の勧めで(兵役から逃れることが出来る)鉄鉱山の労務管理職に就き、入籍した美千子と共に鉄鉱山「老虎嶺」に向かう
ところが、鉱山では少数の日本人が(実質的に支配している)満州人を低賃金で酷使していた
劣悪な環境を改善しようと、何とか満州人と信頼関係を築き、日本人の現場監督に最低限のモラルを指導する梶だったが、現場では彼の想像を超えた、異常な慣習が蔓延り、改善どころか結果として、その一部に加担する羽目になる
結婚したばかりの美千子は、そんな彼の苦悩を知る由もなく、家事をこなすことしかない日々を過ごしていた
構図としては、知らずに転職した先が超ブラックだった中間管理職、という風ではあるけれど、戦時中の国や人種という背景もあり、胸の詰まる究極の選択肢の連続
感情に蓋をして、さっさと朱に染まることが出来れば、どんなに楽か
つい「ハンナ・アーレント」や「6月0日 アイヒマンが処刑された日」で描かれた「悪の凡庸さ」について考えさせられる
明日は、第三部・望郷篇、そして第四部・戦雲篇をご紹介