
引用元:shochiku.co.jp
学生の頃、住んでいた場所からすぐ近くに「油掛地蔵」があった
歩いて2、3分の距離で、住所も「油掛町」(京都市右京区嵯峨天竜寺油掛町)
近所の人たちが普通のお地蔵さんに水を掛けるように、サラダ油を掛けているのをよく見た
江戸時代には、油商人が商売繁盛を願ってお地蔵さんに油を掛けていたらしく、お地蔵さんの顔は表情もわからないほどにギトギト
初めて見た時には本当にびっくりした

1992年の作品
本作までにも1924年、28年、36年、49年、57年に映画化されている近松門左衛門の人形浄瑠璃(その後2009年にも)
大阪は天満の油屋「河内屋」の放蕩息子、与兵衛(堤真一)は店の金を持ち出しては女遊びに惚けている
同じ油屋の豊島屋で働くお吉(樋口可南子)も、河内屋にのれん分けした経緯もあり、かつては奉公として与兵衛の乳母がわりをしていた
お吉は今でも仕事をせずに遊んでばかりいる与兵衛の尻拭いをしてやっている
ある日、与兵衛の女遊びにお説教したその直後に、与兵衛が小倉屋の一人娘、小菊(藤谷美和子)と密会していることを知り、その現場に駆け付ける
「こんな関係が世間に知られては河内屋の看板が取り上げられてしまう」と再び説教する始末
それでも小菊との関係は続き、すぐに周囲にもバレてしまう
小倉屋の主人のとりなしでふたりはお咎めなしとなるも、河内屋には「次にこのようなことがあれば油屋の株仲間から外す」と宣告されてしまう
この期に及んでも与兵衛は改心するどころか、心配するお吉に向かって「小菊と別れるくらいなら心中してやる」と反抗、その数日後には小菊と駆け落ちする
ところがその状況に興奮し半狂乱になった小菊を恐れた与兵衛はお吉に助けを求め、ふたりはまたそれぞれの家に連れ戻されてしまう
与兵衛のクズっぷりは言うまでもないけれど、それを操縦するかのようなお吉の質の悪さに尽きる
赤子の頃から面倒を見てきた与兵衛が、大人になっても自分という存在に依存する状況を周到に作り上げ、与兵衛が他の女に熱を上げればその邪魔をするだけでなく誘惑までする(そして与兵衛が自分に熱を上げた途端に距離を置く)
そして最後は文字通り油まみれのドロドロな関係に、、
今から約300年前のお話
当時の油屋で販売された油とは、食用ではなく灯火油として使われた菜種油
行灯の底板に油皿を置いて火を灯したという
夜になればすることも無かった人々の生活に、さぞ大きな変化をもたらしたことだろう
そんな貴重な油をお地蔵さんに掛けていたのか、と今頃になって思う
なぜか中国語の映像しか見つからなかった、、
明日は、ホラー映画っぽいフランソワ・オゾン監督作品をご紹介