
引用元:toei-video.co.jp
2013年のスウェーデン映画
「北欧ジャズ」という括りも存在するくらい、北欧でのジャズ人気は高い
日本人のジャズ・シンガーと同じように英語と母国語の両方を歌って仕事をする人が多いのだろう
本作は50年代後半から活躍したスウェーデンのジャズ・シンガー、モニカ・ゼタールンドの半生を描いた作品
スウェーデンのハーグフォッシュという田舎町で、両親と5歳になる娘と暮らすモニカ(エッダ・マグナソン)は、ジャズ・シンガーで成功する夢を持ちながらも普段は電話交換手として働いていた
ある日、ステージで彼女の歌声を聴いた評論家から誘われ、モニカはニューヨークのジャズ・クラブで歌う機会を得る
急なピンチヒッターとはいえ、この絶好のチャンスを逃したくないと、家族と過ごすクリスマスの予定をすべてキャンセルしてニューヨークに飛ぶ
しかしそこでは思いも寄らない理由で不評を買い、途中でステージから降ろされてしまう
彼女のヴォーカルが直接問題視されたわけではなかったものの、その状況を覆すほどの個性も実力もなかったことは認めざるを得ず、大きなショックを受けて帰国する
帰国後、出演を断っていたツアーに強引に誘われ、そのバンドのベーシストや演出家、そして映画監督らと知り合ったことが刺激になり、モニカは母国語でジャズを、またクラブのステージだけでなく劇場で歌い始めたことでキャリアも軌道に乗りだす
シングルマザーのモニカが、ジャズ・シンガーとして成功するまでの波乱万丈な人生がメイン・テーマながらも、破滅的な性格のモニカとは対極な父親との確執が丁寧に描かれている
鑑賞中も落ち着かないほどに父親との口論のシーンが多く、親子関係では特に珍しくはないだろうけれど、性格的にはいわゆる最悪の組み合わせ
モニカは常に上を目指し、その時に抱えている大事なものを忘れてしまうような性格
父親はそうした想いを常に我慢して日常や周囲に配慮して生きてきた分、娘のチャンスも素直に喜ぶことが出来ず、ついシニカルな言葉で返してしまう
こういう関係性が映画で描かれると大抵はどちらかの心情で観てしまうけれど、本作に関してはまさしく「どっちもどっち」で、強烈に不器用という面ではそっくりだとさえ思ってしまった
また主演キャストはもちろんのこと、多数のエキストラの髪形や服装までにも、当時のスウェーデンの様子が細かく再現されているのには感心させれる
今、モニカ・ゼタールンドの60年代のアルバムを聴きながら書いているけれど、本作で彼女を演じたエッダ・マグナソンの歌も同じくらい素晴らしいのに驚いている
彼女自身もスウェーデンのジャズ・シンガー(映画は初出演)で、表情もどことなくモニカに似ている(メイク技術もあるのだろうけれど)
明日は、アキ・カウリスマキ監督作品をご紹介