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熊切監督、そしてジム・オルークの音楽に痺れた「658km、陽子の旅」
このコンビは、「海炭市叙景」でもその実力、相性は立証済みではあるけれど、もっとこの世界を味わいたくて本作を鑑賞
時は昭和20年の東京
染物職人として自立した生活を送る知子(満島ひかり)
彼女はかつて、夫と幼い子供を捨てて、涼太という名の若い男(綾野剛)と駆け落ちした過去があった
涼太との関係はとっくに終わるも、今は年配の作家・木下(小林薫)と、8年にも及ぶ関係を続けている
木下は、妻子持ちであることも、知子と関係があることも隠さず、彼の妻も了解した上で、知子の自宅で暮らしていた
そんなある日、東京に戻っていた涼太が、知子の家を訪ねて来る
その際、知子は不在だったが、後日木下が本宅に帰った日に、知子から電話をかけ、涼太を呼び出す
久しぶりの再会を楽しんだ知子は、本宅から戻ってきた木下に、涼太を呼び出したこと、とても楽しかったことを包み隠さず告げる
和服も洋服も、目を引くほどにお洒落で、それだけでも観る価値があるけれど、街並みや、知子と涼太の自宅の間の道(高低差のある)、小林薫と満島ひかりの表情など、アングルやフォーカスが秀逸で、何度も圧倒されてしまった
そして、その世界観を増幅して包み込むような、ジム・オルークの音楽は言うまでもなく素晴らしい
人によって、何をもって「区切り」、「けじめ」とするのかは異なるし、もちろん(ここまでの身勝手を貫いてきた人に)理屈もないのだろうけれど、知子が最後に決断した身の振り方に、妙に納得してしまった
まだまだ暑い日が続くけれど、このタイミングで観るのがお薦め
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