
引用元:eiga.com
2012年の作品
数年前、東京から大島に女と一緒にやってきた松尾(阿部寛)
その女も癌を患い間もなく死のうとしていた
形ばかり営業しているレストランも放ったまま、毎日病院にお見舞いしながらも、艶という名のこの女が過去に関わった男に連絡を取ろうとする
艶が12歳の時に乱暴してきた従兄弟の小説家
そしてかつての夫
また浮気相手やストーカー
松尾が連絡を取ろうとする過程で、その男たちの傍にいる女性たちも、艶の間もなくの死によって結び付けられていく
彼らは、かつて艶と関わった過去を振り返りはするものの、強烈な艶の生き方に振り回された苦々しい記憶も強く、大島に尋ねてきたのは1組の親子だけだった
5つのショートストーリーのオムニバスという形式
こういうスタイルは、それぞれの話の掘り下げが不十分で物足りなさを感じてしまうケースも多いのだけれど、そこは行定勲監督
あくまでも艶を軸にして、重複しそうな部分の描写をカットして、観応えのある奥深さを見せてくれる
本来なら(松尾が連絡をつけようとした)艶を愛した男たちを描く作品になるところを、その男たちの傍にいる女たちを描くことで、それぞれの性格や生き方が見えてくるところが興味深い
事実から目を背けようとする女、攻撃的なくらいに嫉妬する女、平気な振りをする女
その女たちの同僚や娘など、周囲にいる女たちの反応も面白い
自分が死んだ時に、「いい人だったな」と多くの人から思われるのと、「思い出したくもないのに忘れられない」と、ひとり(或いはふたり、三人)に思われるのと、比較できるものでもないのに、本作を観ると考えてしまう
明日は、邦画の良さが詰まった作品をご紹介