
引用元:shochiku.co.jp
日本初のカラー映画は、1937年の「千人針」という作品(日中戦争に出征する青年が、生き別れの母に会い、千人針に糸を通してもらう話)
しかし、フィルムは海外産だったそうで、本作は、富士フィルム(当時の社名は富士写真フィルム)と協力して作られた初の「国産(フィルムによる)カラー映画」
この辺りのこだわりが、如何にも戦後を思わせる
フィルムに問題が発生するリスクを考慮して、カラーフィルムで撮影を行った後に、従来のモノクロで同じ演技を撮影するという、かなりの手間がかけられている
浅間山の麓で牧場を営んでいる正一(坂本武)の元に、一通の手紙が届く
それは、東京で踊り子をしている娘きん(高峰秀子)からのものだった
家出したきり不義理を続けていた娘から、突然、友人をひとり連れて帰郷するという手紙の最後には、「リリィ・カルメン」というサインまで
怒る正一は、「そんな名前の娘を持ったことはない」と、取り合おうとしないものの、きんの姉ゆき(望月美恵子)が相談し、校長先生(笠智衆)からとりなして貰う
今観れば、娘の自意識を痛々しく、またそれ以上に微笑ましく感じる
時代背景を考えると、家出して上京し、ダンスという芸で身を立てた自分を見て欲しい、理解して欲しいという想いには、相当なものがあったのだろうなと想像できる
地元の人たちにとっては「異次元な世界」を経験している自負もあり、自分が彼らに芸術を見せてやる、という意気込みも感じられるし、地元の人たちの評判を勝ち得ることで、父から理解して貰おうとする娘の空回り感が、胸に迫る
明日は、その続編をご紹介