無人島シネマ

毎朝7時頃更新 忘れてしまうには惜しい映画 と雑記

1365. プロミスト・ランド

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引用元:Yahoo.co.jp

 

2012年のアメリカ映画

 

グッド・ウィル・ハンティング」(1997年)以来のガス・ヴァン・サント監督とマット・デイモンのタッグ(と思ったら「ジェリー」という2002年公開の作品でも一緒だったようだ)

 

 

大手エネルギー関連企業グローバル社に勤めるスティーブ(マット・デイモン)は、天然ガスの採掘権を農民から買い取るというタフな仕事において優秀な成績をおさめていた

 

その理由は、アイオワ出身の自分には農民の気持ちがわかり、彼らのとってベストな将来を提案することができるから、と信じている

 

今回も同僚のスー(フランシス・マクドーマンド)とペンシルヴェニア州の田舎町に出張し、数日で住民たちとの契約をまとめる予定でいた

 

ところが、町の体育館で開かれた大事な住民への説明会で、教師のフランク(ハル・ホルブルック)が天然ガス採掘における水圧破壊法が引き起こす問題を突きつけ、険悪な空気になってしまう

 

結局、まともに説明もできないまま、「後日多数決で決定する」ということになり閉会してしまう

 

そんな折、環境保護団体の活動家であるダスティン(ジョン・クラシンスキー)が町にやってきて反対運動を展開し始める

 

バーのステージから皆に呼び掛けたり、プラカードを至る所に立てかけたりしてグローバル社の追い出しにかかる

 

彼が住んでいたネブラスカでは水圧破壊法で土地が死んでしまい、代々続けてきた農業を諦めることになったという

 

そして牛が倒れている写真を見せ、住民たちの怒りと恐怖心を煽り、反対を推し進めていく

 

 

 

社会的な問題に立ち向かうマット・デイモンが(なんだかんだありながら)最後には勝利するストーリーはお腹いっぱいだなあ、と思っていたら

 

そこは巧みな展開で心地よく裏切ってくれる

 

 

 

 

そもそも、大企業だからといって自然破壊に対して本質的な責任が持てるはずもないし、土地の所有者だからといって「採掘権を売る」権利が本当にあるのか?とも思う

 

「保険に入っているから大丈夫」という考えは「生命保険に入っているから死んでもいいの?」という理屈と同じだ

 

人類に必要なエネルギーを提供する社会貢献度の高く、超安定の優良企業に、エリートが高収入を求めて集っているのは自然なことのように思えるけれど、こうした法律以前の矛盾?(言い換えれば法律や契約に守られている矛盾)に疑問を持たない強さもエリートたる所以なのかもしれない

 

 

そして環境保護団体の活動家を演じるジョン・クラシンスキー

 

雄弁で自信に溢れていて、持論で周囲を煽っていく実に「嫌な奴」を見事に演じている

 

「飛んで」しまったような目で、相手に喋る間を与えずまくしたてる様が、「まるで環境保護団体の活動家の典型例」とでも言わんばかり

 

こういう演出は(エネルギー関連企業同様に)環境保護団体の方たちにどう映っているのだろう

 

映画作品は、弱者が守られるエンディングで良いのかもしれないし、グローバル社や環境保護団体が訴えるほどの問題シーンもないのかもしれない

 

とはいえ、ちょっとした表情や仕草でさえ「メッセージ」になるだけに、そこには「ある種の責任」が伴うことも考える必要があるだろう

 

 

 

明日は、冷戦時代の東ドイツが舞台のヒッチコック作品をご紹介