
ショーン・ベイカー監督の前作「レッド・ロケット」が大好きで、2023年のベストムービーに選んだ、、、つもりだったけれど、確認すると、惜しくも選外で「特別賞」に選んでいた
本作も、その「レッド・ロケット」同様にセックス・ワーカーを描いていると、またアカデミー作品賞他、(監督、主演女優、脚本、編集)5部門を受賞と知り、混乱してしまった
前々作の「フロリダ・プロジェクト」と同じように、絶賛する人もそこそこ居るけれど大衆向けとは言えない雰囲気が気に入っていたのに、アカデミー賞なんか獲ってしまうしまうと、(R18+指定ではあるけれど)果たして観客の期待に応えられるのだろうかと不安になってしまった
という割に、公開されてから2週間くらい経ってから地元の劇場にて鑑賞
ニューヨークのコニーアイランドに近いストリップ劇場「Head Quarter」でダンサーとして働くアノーラ(マイキー・マディソン)
ある日、劇場にやって来たロシア人富豪の御曹司イヴァン(マーク・エイデルシュテイン)の相手をし、気に入られる
まだ21歳のイヴァンは、父親の命令で間もなくロシアに戻り働くことになっていたが、残り僅かな期間を惜しむようにアノーラにのめり込んでいく
破格な報酬でアノーラと1週間の契約を結び、仲間とラスベガスのペントハウスで大騒ぎ、そしてその最後には小さな教会で結婚までしてしまう
ところが、その噂を聞きつけたイヴァンの両親がロシアから駆け付け、、、というサスペンス要素に溢れた展開に「さすがヒット作」と感心しながら、ほろ苦い結末に至る頃には、すっかりショーン・ベイカーの世界に浸っていた
印象的なラストシーンをアノーラと演じたのは、イヴァンではなく彼の父親に雇われた用心棒役のイゴール(ユーリー・ボリソフ)、忘れもしない「コンパートメント No.6」で主人公の女性と同じ寝台車に乗り合わせるロシア人炭鉱労働者を演じた彼だ
本作はベストムービーに選出しなきゃ、とは思うけれど、個人的な好みは「レッド・ロケット」の方かな
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