引用元:shochiku.co.jp
雪深く、土地も痩せた信州の寒村
その村には三つの掟があった
結婚し、子孫を残すのは長男のみ
他所から食料を盗むのは重罪
70歳になれば「楢山参り」に出なければならない
この村に住む辰吉(緒形拳)は、妻を亡くした今、69歳になる母のおりん(坂本スミ子)と、子供たちと暮らしているが、おりんがまだ元気ということもあって、複雑な思いを抱えていた
当のおりんは、少しも怯えた様子は無く、自分が居なくなった後のことも考えて、辰吉の後妻・玉やん(あき竹城)を迎え入れ、「ちっとでかくて不細工だけんど、良い嫁だ」と可愛がりながら、家事や作法について教える
そんなある日、辰吉の息子のけさ吉(倉崎青児)も、松やん(高田順子)を嫁にして同居を始めるが、この松やんは手癖が悪く、夜中に野菜を実家へ持ち出していた
しかも、けさ吉の子を妊娠していることがわかり、一家でこの冬が越せるのか不安が高まっていく
特別な風習の残る寒村での話とはいえ、日本的に映る映画ではありながらも、似たような状況は外国にもあり、自然との共生、部族内での懲罰など、海外から見ても理解できる部分は多そうな作品
事実、カンヌでパルム・ドールを受賞している
同年には「戦場のメリークリスマス」の方が大きな話題になっていたというけれど、結果は如何にもカンヌの選択らしい
もちろん「戦メリ」も素晴らしい作品ではあるけれど、いろんな面で陶酔度が高く、一部の人には敬遠されそうではあるなと思う
また「ミッドサマー」で描かれるスウェーデンの村の風習と(特定の部分とかいえ)比較してみるのも面白いかもしれない
明日は、90年代のNYの様子が楽しめる映画をご紹介