引用元:yahoo.co.jp
1978年(昭和53年)の冬
日本では、ヤクルトが球団創立29年目で初優勝し(阪急との日本シリーズではポール際への本塁打判定を巡って1時間19分中断した)、西武ライオンズが誕生、ドラフト会議では「空白の一日」の騒動で巨人がボイコット、、、と野球の話題ばかりというのも時代を象徴しているのか
レコード大賞はピンク・レディーの「UFO」、映画では「野生の照明」(薬師丸ひろ子、高倉健)、政治では12月に大平内閣が誕生した
インベーダーゲームや流行り、使い捨てカイロがヒット商品になり、流行語(大賞の制度はまだ無かったけれど)は、「口裂け女」、「窓際族」、「普通の女の子に戻りたい」だった
中国では文化大革命が終わり、希望が見え始めた1978年の冬
中国の地方都市、西幹道に両親と暮らしている、18歳の兄・スーピンと11歳の弟・ファントウ
彼ら家族が住む家の通り向かいに、叔父を頼って北京からシュエンという少女がやって来る
ふたりとも都会からやってきた美しいシュエンに惹かれるも、素直に近づくことが出来るファントウに対して、兄のスーピンはなかなか彼女に近寄ることができない(弟への嫉妬から、ふとんに水を掛けてオネショしたように見せる意地悪をしてみたり)
次第にやりとりが増えるにつれ、シュエンもスーピンに心を開き、惹かれ合うようになる
ところがこの二人が一緒にいるところを周囲は非難し、ファントウまでも「不良の弟」として服を脱がされてしまう
泣きながら逃げ出すファントウは、勢い余って崖から落ちてしまう
前半はかなり静かなトーンで、展開も少なく淡々と進行するけれど、後半ファントウの可愛らしさに気づいた頃には、グッと作品の魅力に引き込まれている
兄と憧れの(自分よりずっと年上の)女性が惹かれ合うのを、見てはいけないと思いながらも気になる様子や、その影響で自分にまで意地悪が向けられる状況に納得が行かない表情を見せる姿、そして親に怒られて咄嗟におかしな行動に出るところや、崖から落ちた後にすっかり物静かになってしまうところなど、魅力的な11歳の少年ファントウから目が離せなくなる
10年以上経ってからまた観ようと思う
明日は、ずっと勘違いをしていた戦争映画をご紹介