引用元:eiga.com
刑務所から出て、かつて所属したバイクの窃盗団に戻ったチョウ(フー・ゴー)
中国南部の再開発から取り残された鵞鳥湖周辺では、ギャングたちの縄張り争いが激化していた
対立組織との抗争に巻き込まれ、逃走中に謝って警官を射殺したチョウは、全国に指名手配されてしまう
残される家族の為にと、自分の身柄に懸けられた報奨金30万元を、妻のシュージュン(レジーナ・ワン)の手に渡るよう画策する
そんなチョウの目の前に、妻の代理を名乗る謎の女アイアイ(グイ・ルンメイ)がやって来る
鵞鳥湖近辺で娼婦として生きているアイアイと、彼女の言うことを信用すべきか迷いながらも、チョウは行動を共にし、警察や(報奨金目当ての)窃盗団に追われる
ノワール作品特有の、刹那な美しさに溢れた作品
タイトルの通り、夜のシーンが続くせいで、カメラが切り替わるたびに、登場人物や風景の特定に数秒かかる(少し大袈裟)のが骨ではある
最後に逃げ込んだ食堂で、客を装ったチョウとアイアイが頼んだ牛肉麺が美味しそうだったなあ
中国では、報奨金目当てに家族を告発することは、法に準じた正義を守る行為でありながらも、人間らしさの無い良心にもとる行為だとして論争の的になっているという
国を問わず、親しい人に「罪を認め、償ってほしい」と願うことは自然ではあるけれど、報奨金目当てとなると話はややこしくなる
日本の場合は、基本的に100万から300万の上限があり、この金額で家族を売る(?)ことは考え難いけれど、本作で描かれた地区において30万元(年収の数倍に相当する)となれば、良からぬ考えも浮かぶのかもしれない
明日は、実際にニースで起こった事件を題材にした作品を紹介します