引用元:fashion-press.net
エルヴィス・プレスリーとの出会いが思い出せない
亡くなった時点で小学生だったから、ニュースに触れた記憶も無いし、曲をラジオで聴いたわけでもなく、映画でもなく、クラスにエルヴィスを聴いている人も多分いなかったと思う
時々、ジャンプスーツを着て、もみあげを付けた「そっくりさん」をテレビでみかける程度だったし、いわゆる「過去の人」だった
それからきっかけは何だったか覚えていないのに、過去の代表作はひと通り聴いて、アルバムも数枚買って聴く程度にはいつの間にかなっていた
「Don't Be Cruel」や「Heartbreak Hotel」などの衝撃的なオリジナリティ溢れる曲には圧倒されたし、少しコミカルな「Too Much」、「All Shook Up」などは大好きだった
スコッティ・ムーアやジェームズ・バートンなどバックバンドの演奏を熱心に聴いたりもした
それでもバラードや歌謡曲っぽい曲などは好みではなかったし、彼のヴォーカルもフィットする曲と野暮ったく聴こえる時があって、心酔するという感じではなかった
本作は公開前からライブ映像を観たり、アルバムを聴き直したりして、散々勝手に盛り上がっておきながら劇場で観ることはなかった
理由は、予告映像に何とも言えない違和感を持ったから
主演のオースティン・バトラーがどうにもエルヴィスに見えないのだ、、
数か月前に観た「リスペクト」では、アリサ・フランクリンを演じたジェニファー・ハドソンが、アリサにそっくりだったわけでもないけれど自然に楽しめたから、まさかそこで引っかかるとは思いもしなかった
アリサとエルヴィスではアイコンとしての存在感も違うから、容姿や雰囲気が似ていることの重要度も同様なのだろう
それだけでなく冒頭の街並みがセット感丸出しだったり、登場人物のキラキラ感(スクリーンに登場する人物全員にスポットライトが当たっているかのような)に不自然さを感じてしまった
後半、ラスベガスで「サスピシャス・マインド」を歌う辺りから、観慣れてきたことと、オースティン・バトラーが比較的エルヴィスの後期の雰囲気を醸し出せていることで、グッとストーリーに入って行けた(初期のエルヴィスが歌うシーンはオースティン・バトラーの声を中心に、後期のシーンはエルヴィス本人の声が使用されている)
「誰がエルヴィスを殺したのか」
というテーマだから、必然的にパーカー大佐との確執を中心に描かれるのは仕方ないにしても、超絶に個性的でカッコ良い(容姿だけでなく、音楽的にも)初期のエルヴィスの曲をフルコーラスで楽しめるシーンを入れて欲しかった
何だか文句ばかり書いてしまったけれど、公開後のレビューでは軒並み好評だったので(本作を観たのは2022年10月ながら)このタイミングでこっそりアップします(笑)
明日は、アキ・カウリスマキ監督作品をご紹介