無人島シネマ

毎朝7時頃更新 忘れてしまうには惜しい映画 と雑記

1151. 欲望のあいまいな対象

引用元:filmarks.com

 

「小間使いの日記」などで知られるルイス・ブニュエル監督の遺作

 

裕福な初老の紳士フェルナンド(フェルナンド・レイ)が、魅惑的な若い女性コンチータにことごとく翻弄されるという話

 

面白いのは、そのコンチータキャロル・ブーケ(フランス人)とアンヘラ・モリーナ(スペイン人)というふたりの、割と印象の異なる女優が「二人一役」で演じていること

 

個人的には昔のセビージャの街の様子や、1977年公開の作品とあってテロ活動が盛んな様子が描かれているもの印象的だった

 

 

 

セビージャの駅

 

列車に乗り込んだ初老の紳士フェルナンドは、同じ部屋に居合わせた人たちも(マドリッド行きの列車)最終目的地がパリであること、またその中のひとりの男性は親族の知人であることなどを知り、途端に和やかな気持ちになる

 

ところが、フェルナンドは出発前に列車に乗り込もうとしてきた若い女性に、バケツ一杯の水を浴びせてしまう

 

同室の乗客は一瞬凍り付くものの、温厚そうなフェルナンドが何故そんな行動に出たのか興味を惹かれ

 

「良かったら理由をお聞かせ願えませんか」

 

と頼み、フェルナンドも「それでしたら」と、コンチータとの出会いから語り始める

 

 

 

年配の男性が、少々質の悪い若い女性にこっぴどく翻弄されるのは、何ら不思議ではないけれど、映画のポイントはもちろんそこではなく、列車の中でその経緯を説明するという構成や、ふたりの女優が演じるコンチータという女性の描き方など、最後までわくわくしながら観られた傑作

 

 

明日は、キレやすい男を演じさせたら右に出る者はいない、あの俳優の作品をご紹介

 

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