引用元:eiga.com
野上(西島秀俊)は、亡くなった父の残した多額の借金の返済義務に追われ、ある日会社を辞めてしまう
その話を聞いて、「自分も会社を辞めるのもアリかな」と、会社から押し付けられる無理難題を、そのまま取引先に押し付ける仕事に嫌気がさしていた後輩の三崎(加瀬亮)も同じ日に会社を辞めてしまう
お見合いサイトで野上と出会った涼子(竹花梓)は、「いつまでも結婚しないのなら田舎に帰ってこい」と愛媛の母親から催促されるのに嫌気がさし(それほど乗り気でもないのに)相手を探しているけれど、食べていくのにも精一杯で、住んでいるアパートの更新料の工面に悩んでいた
野上は、父親の借金の責任は自分よりもむしろ祖父の友次郎(高橋昌也)にあるだろうと、友次郎が所有している土地を売って借金を返済しようと考えていた
ところが友次郎は、惚けているのか耄碌(もうろく)しているのか、いくら説得しても返事をしない
そうこうしているウチに、行き場のない三崎と涼子が、その土地の上に建っているボロボロのアパートに押しかけてくる
友次郎にしても野上にしても、困った顔をして黙っているシーンと、明確な責任に対して曖昧な反応を繰り返すことが多く、「そんなんじゃ日々回して行けないだろ!」とツッコんでしまいそうになるけれど、その廃退的な緩い空気に気が付いたら引き込まれている不思議な魅力のある作品
監督を務めた池田千尋の他の作品を調べてみると、「Red」の監督・三島由紀子と共同で脚本を書いていて、共通する廃退的な匂いに妙に納得してしまった
明日は、「実話ベース」の良い面が出ている中国映画を紹介します