無人島シネマ

毎朝7時頃更新 忘れてしまうには惜しい映画 と雑記

950. 鰻の男

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引用元:Yahoo!映画

 

2014年の韓国映画

 

脚本、総指揮キム・ギドクと知って、なるほど、、、というギドク・ワールド

 

普通は触れないでおくタブーにグイグイ迫っていく

 

一方で、男女の描き方は割と安易で、あくまでも「そっちに気を取られないでね」と言わんばかり

 

そして自然を絡めた風景の撮り方が最高に巧い

 

 

 

中国で鰻の養殖を営んでいるチェン(パク・ギウン)は、韓国に輸出した鰻から基準値を超える水銀が検出された(そして以降輸出が禁じられた)ことに納得がいかず、再検査を求め、鰻を三匹抱えて密入国する

 

検査場の正門で何度も(文字通り)門前払いされるも、最終的にはその検査場に勤めている検査官のミ(ハン・チェア)を尾行までして再検査をしてもらう

 

結果はやはり基準値以上の水銀を含んでいるというもので、チェンはがっかりするがビルの警備の仕事をミに紹介してもらう

 

 

 

 

本作の中では、韓国の人たちが過度に中国産の食品を毛嫌いしていて様子が描かれる

(食品の枠を超えたこの国民感情こそが、キム・ギドクが描きたかったことのひとつ)

 

英題の「Made in China」には、「生まれてからずっと中国産の食品を食べてきた自分の身体も中国産だ」という中国人からそんな韓国人への強烈なメッセージ

 

 

 

ちなみに日本に輸入されているものに関して言えば、近年では韓国産の方が危ないというデータも存在するし、日本でも偽装問題などが発生している

 

誰しもが(産地にこだわって選別しても)、何らかのリスクを抱えて、毎日食品を口にしていることになる

 

だから「注意したって意味がない」と片づけられる話でもなく

 

「不確実な中で注意して(危険性を下げて)いくことしかできないんだなあ」と、改めて思う  

 

 

明日は、グッとお腹に来るイギリス映画をご紹介

 

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