無人島シネマ

毎朝7時頃更新 忘れてしまうには惜しい映画 と雑記

615. ゆれる

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引用元:amazon.co.jp

 

2006年の西川美和の原案、脚本、監督作品

 

彼女の監督作品は観応えのあるものばかりだけど、その中でも特別な深みをもつのが本作

 

 

 

 

カメラマンとして東京で活躍している猛(オダギリジョー)は多忙ながらも自由な生活を満喫していた

 

実家で父(伊武雅刀)が営んでいるガソリンスタンドを切り盛りしている兄の稔(香川照之)に呼ばれて母親の法事に帰省をする

 

そのガソリンスタンドで働いているかつての恋人智恵子(真木よう子)と再会し、兄と彼女が仲良く働いている姿を目にする

 

法事の翌朝東京に帰るという猛に、稔は「明日、智恵ちゃんと三人で渓谷に行こう」と勧める

 

翌日、渓谷にある吊り橋を渡ってから猛がひとりで写真を撮っていると、智恵子がその橋から落下してしまう

 

 

 

 

智恵子は事故死だったのか、そこに兄はどう関係しているのか

 

ミステリー的な要素中心で観ていくことに自然となるけれど、観終わってから「そうじゃない」感が押し寄せてくる

 

幼い頃からの兄弟の「確執」とも呼べない、大部分は無意識の嫉妬や嫌悪が、久しぶりに会って(引きずってきたそうした忸怩たる思いを新たに、そして更に強く意識させられる前夜の出来事から)抑えられなくなる

 

 

大事なところが台詞ではなく、仕草と表情で描かれる

 

思わせぶり感もかなりあるものの、変に先走って展開を予想したりしないで楽しめる

 

観終わってからストーリーを振り返ったり、登場人物の立場で考えたりする時間を含めて完結するような作品

 

↓ 主演俳優自ら「観ないと損する」という率直なコメント(DVD欲しいなあ)

 

 

 

明日は、ちょっと変わったショートムービーをご紹介