引用元:Yahoo.co.jp
相米慎二監督の遺作となった2001年の作品
監督の作品を観るのは「魚影の群れ」以来
高級官僚の澤木(浅野忠信)は普段は嫌味でつまらない男
しかし酒が入るとまったくの別人格になり(つまらなくはないけれど)質が悪い酔っ払い
いつもの様に泥酔し、朝目覚めると桜の木の下で隣には見知らぬ女がいた
その女が誰なのかも、どうして桜の木の下にいるのかも思い出せない澤木
彼はその前にも泥酔した上でコンビニで万引き(というよりも酔い過ぎていてレジを通らずに出ようと)したことが週刊誌に載ってしまい自宅謹慎中だった
今回は酔った勢いでピンサロの女レモン(小泉今日子)の帰省に同行し、北海道の山に登る約束をしていた
酔いも醒めてレモンとの約束を反故にして自宅に戻るも、何もすることがない澤木は約束通りレモンと夜の便で北海道に向かう
レモンは澤木と共にレンタカーで故郷の寂れた町やさらに奥にある山小屋に行く中で、東京に出るまでに自らの身の上に起こったことを反芻していく
舞台が北海道に移ってからの展開は、レモンを中心に進んでいく
澤木はレモンの恋人ではないけれど、この行き当たりばったりな帰省につき合う
ひとには大抵次の予定があるから、どこかのタイミングで「それじゃあね」ということになるけれど、澤木やレモンのように用事も目的も無ければ、気持ち一つで行動を決められるところが何とも潔い
「次の用事がない」というのは、ロードムービーの主役にとっては必須だろう
明日は、リトアニアの芸術家ジョナス・メカスの面影を追っていくドキュメンタリー映画について