引用元:filmarks.com
1961年の山田洋次監督デビュー作
若いサラリーマンの葉室正巳(小坂一也)は、明子(葵京子)と結婚し、二階建てのマイホームを構えた
身内を含め、方々からお金を借りたので、返済のために二階は間貸しすることにした
ところが入居した小泉という若い夫婦の久雄と晴子(平尾昌晃、関千恵子)は、愛想は良いもののだらしない様子で、いつまで待っても家賃を払わない
気の弱い明子がやんわりと催促するも、もう少し待っての一点張り
「じゃあ俺が」と言う一也も掛け声の割には押しが弱く、滞納は2か月、3か月と続く
そんなある日、豊橋に住む長男夫婦と揉めた母親のとみ(高橋とよ)が押しかけて来る
気は優しいながらもずぼらな母親は、二階の小泉夫婦とすっかり意気投合してしまい、息子に「家賃の催促はもう少し待っておやり」とまで言い出す
後にみられるような味わい深い人間ドラマはなく、突飛な展開ながらも平凡なサラリーマン家庭をコミカルに描いた作品
母が上京するも子供たちから歓迎されない様子などは、後(2013年)にリメイクする「東京物語」(1953年)へのオマージュなのだろう
会社の上司や、兄弟、近所の人など、プライベートという概念が当時どれくらいあったのか(無かったのか)が何となく伝わってくる
ロケーションは明らかにされていないけれど、藤沢駅がチラと映るところからすると、マイホームはそこから歩いてしばらくの、、という設定なのだろう
勾配のある、目の前の道も舗装されていない場所
周囲にはまだ空き地も目立ち、住宅地として山を切り崩した様子がうかがえる
松竹の撮影所が大船にあったせいか、当時はこのエリアを自宅に設定した作品が多いのだろう
明日は、空港が舞台のロマンティックなドイツ映画を