引用元:amazon.co.jp
1949年のアメリカ・イギリス映画
自宅に廉価版のDVDもあって何度か観ているけれど、また観たくなるというよりもまだ観終わっていないような感覚があって再びの鑑賞
大戦直後のウィーンが舞台(ということは公開時にはほぼリアルタイムな設定)
当時のウィーンは米英仏ソによって四分割統治されていた
それぞれの区域に出入りする度にパスポートを提示しなければならない様子が作中にも収められているけれど、今となっては(フィクションとはいえ)当時の様子をうかがうことのできる貴重な映像
そんなウィーンにアメリカから遥々やってきた劇作家のホリー・マーチンス(ジョゼフ・コットン)
ウィーンに住む友人のハリー・ライムからの仕事の依頼とあって到着早々にハリーのアパートを訪ねたところ、ドアをノックしても反応がない
すると管理人が顔を出し、つたない英語で「ハリーは自動車事故で昨日亡くなってしまった 10分前に棺がここから出たところだ」と告げる
慌てて葬儀に駆け付けると、そこで知り合ったイギリス軍のキャロウェイ少佐(トレヴァー・ハワード)からハリーは質の悪い密売人だったと聞く
少佐の言葉を信じられないホリーは、事の真相を追求すべく、ハリーの恋人だったアンナ(アリダ・ヴァリ)に会い、事件を目撃したという管理人から話を聞く
そして現場に「第三の男」が居たことを突き止める
有名なテーマ曲はオーストラリア(辺り)の民族楽器、ツィター(Zither)によるもの
監督のキャロル・リードが撮影でウィーンに来た時、アントン・カラスの演奏するツィターの音色を耳にして(既に予定されていた音楽をお蔵入りにしてまで)カラスが作曲した同曲を使った(ツィターの語源はギリシャ語のKitharaとされているのでギターとかシタールとか多くの弦楽器がここから派生しているのかもしれない)
ちなみに恵比寿駅の発車メロディは、かつてヱビスビールのCMソングにこの曲が使われ製造していた日本麦酒醸造(今のサッポロビール)の工場があったことによる
元々、ここから出荷されるビールを発送するための貨物駅としてスタートし、地名の方が後付けなんだとか
発車メロディにはツィターらしき音色のバージョンもあれば、スチールドラムのバージョンもあるので、今度恵比寿駅を通る時には意識して聞いてみよう
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