引用元:filmarks.com
2010年の作品
大阪から大学入学で上京し、東京で結婚するも夫とはすぐに死別
それ以来、薬局を営みながら女手一つで娘の小春(蒼井優)を育ててきた吟子(吉永小百合)
痴ほうが出始めた義理の母絹代(加藤治子)とはそりが合わないながらもそれなりに折り合って三人で暮らしていたが、めでたく小春が結婚して家を出て行くことになる
夫の十三回忌で酔って暴れてからというもの音信不通になっていた弟の哲郎(笑福亭鶴瓶)にも招待状を出すも、不在扱いで返送されてしまう
そもそも下品なところに酒が入ると手が付けられなくなる哲郎が来ないとあって、毛嫌いしている絹代はもちろん、自分の名付け親でもある叔父を大人になってからは疎ましく感じていた小春も内心ホッとする
結婚式の当日、無事に披露宴も始まったところに、二日前に偶然小春の結婚の話を聞いた哲郎が会場に駆けつける
本作に限らず、山田洋次監督作品の台詞には心に刺さるものが多い
もちろん原作、脚本、そして演者との共同作業が、高いクウォリティに達しているからこそ刺さるのだろう
自分の英語力では、洋画を鑑賞してその感覚を得ることはごく稀にしかないけれど、僅かな可能性がある限りは吹替えで観ないようにはしている(もちろん吹替はその辺りも踏まえて和訳されているのだろうけれど)そのくらい洋邦問わず映画にとっては大事な部分だと思う
この作品を観ると「他人に名前を付けるのって(よくよく考えると事の重大さに)おいそれとは出来ないな」と思う
本作でも小春という名前を「古臭くてずっと嫌だった」という台詞もある
良い悪いではないけれど、キラキラネームとは隔世の感がある
ちなみに ↓ は2013年のキラキラネームのランキング
1位:昊空(そら)
2位:心愛(ここあ)
3位:希空(のあ)
4位:希星(きらら)
5位:姫奈(ぴいな)
6位:七音(どれみ)
7位:夢希(ないき)
8位:愛保(らぶほ)
9位:姫星(きてぃ)
10位:匠音(しょーん)
そして最近では小春のような古風な名前が「しわしわネーム」として復活しているとか
義理の母の絹代が(より痴ほうがすすんだ様子で)哲郎について喋りだすラストシーンが印象的
その直後、エンドロールで流れる中川英二郎のトロンボーンの音色で、一層忘れられない作品になった