引用元:dokushokai-movie.com
2018年のイギリス・フランス映画
ガーンジー島を知らなかったので
「どんな島なのか観てみたい」
という思いだけで観てみた
ガーンジー島はイギリスの王室属領
国王が王国外に有していた土地でイギリスには含まれず独自の自治権を持ちながら外交や防衛はイギリス政府が責任を負うという
イギリス海峡のかなりフランス側に位置する
時は1946年
作家のジュリエット(リリー・ジェームズ)は新しく出版した小説の宣伝活動としてサイン会に勤しんでいた
そんな中、ドーシー・アダムス(ミキール・ハースマン)というガーンジー島に暮らす男性から、感銘を受けた本の作者の他の作品を読みたいがどうすれば入手できるか教えて欲しいという手紙を受ける
そしてその手紙には彼が「ポテトピール・パイ同好会」の一員だとも書かれていた
ジュリエットはその同好会に興味を持ち、尋ねられた本を口実にガーンジー島に行くことにする
その船に乗る直前、恋人のマーク(グレン・パウエル)から大きな宝石と共にプロポーズされ、ジュリエットはそれを受け入れる
遡ること5年、島はナチス・ドイツに支配されていた頃、島民たちが夜道を歩いているところをドイツ軍の兵士に呼び止められる
当時は夜間の外出が禁じられていたこともあって何とかこの状況を切り抜けようとした島民のひとりが「(軍からも推奨されている読書のため)ガーンジー島文学、ポテトピール・パイ同好会からの帰宅途中です」と説明して難を逃れた
島に着いたジュリエットは、手紙を書いたドーシーの他にアメリア(ペネロープ・ウィルトン)、アイソラ(キャサリン・パーキンソン)ら会員たちに迎えられる
和やかに読書会が行われていたところ、ジュリエットが「この会についてロンドンタイムズに記事を書きたい」と言った途端、アメリアから拒絶されてしまう
美しい島の風景を楽しんでいたはずなのに、気が付いたらストーリーに集中してしまっていた
「書きたい」衝動を抑えられないジュリエットが、それによって深く傷つく人がいるのを知りながら、パンドラの箱をこじ開けようとしている風に映りイライラさせられる
歴史上こういう人物が世の中を良くしてきた面もあるだろうけれど、素直に評価できない気持ちを抱えながらエンディングを迎えてしまった
作り手が希望する通りのリアクションだろうなあと気付かされる、良く出来た娯楽映画
なかなか心を開いてくれない島民役のペネロープ・ウィルトンの演技が印象的