引用元:amazon.co.jp
2001年のアメリカ映画
新聞社で「インク係」として働くクオイル(ケヴィン・スペイシー)
大きな印刷機の稼働音から耳を守るため、ヘッドフォンのようなものを付けて唯々流れて来る新聞の印刷状態を監視する仕事
幼い頃に父親から叱責されたことが深い心の傷となり、以来ずっと無気力に生活してきた
このまま老いて死ぬまで単調な毎日が続くだけだと思っていたところに、ガソリンスタンドで男と大喧嘩して、その場から逃げ出すために(たまたま給油の順番を待っていた)クオイルの車の助手席に飛び込んできたペタル(ケイト・ブランシェット)と出会う
都合のいい男だと思われたのか、ペタルに気に入られたクオイルはそのまま彼女と結婚し、しばらくしてバニーという名の女の子が生まれる
ところがある日、両親が自殺したという知らせが入った直後、ペタルは他の男と駆け落ちしたところで自動車事故に遭い死んでしまう
精神的にも経済的にも危機に陥ったクオイルを励ますように、叔母のアグニス(ジュディ・デンチ)は、一緒に祖先の地ニューファンドランド島に行こうと誘う
ニューファンドランド島とは、カナダ東部にある島
厳しい冬が長いのは大変そうだけれど、ダイナミックな自然も美しく是非行ってみたい(できれば長く滞在したい)ところ
氷山からの寒流とメキシコ湾からの暖流がぶつかるエリアで、世界屈指の好漁場として知られ、中でも(本作でもチラと登場する)タラがよく獲れる島の代名詞
身に脂がほとんどなく、頭と内臓と背骨を切り落として塩をまぶして干すだけで、長期保存可能な干し塩ダラになる
大航海時代のポルトガルやスペインでは、良質な干し塩ダラをニューファンドランドで大量に積み込んで長い航海に出たらしい
もしニューファンドランドでタラが獲れなかったら、航海距離の制限から世界の歴史が変わっていたかもしれないと思うと何とも夢のある(?)話だ
「バカラオ」と呼ばれるタラ料理はとても親しまれていて、スペインに行った時にバルやレストランでこの名前をあまりによく聞くので名前を覚えてしまった
戦後、かつての釣りによる漁から、トロール船や地引網に替わり、乱獲されたことから漁が衰退(しかも今やタラに替わる保存食はたくさんある)してしまったけれど、減量されたレベルであっても何とか維持してほしい