引用元:mysmallland.jp
元々住んでいた場所に、トルコ、イラン、イラク、シリアの国境が引かれ、自分の国を名乗れなくなったクルド人
「国家を持たない世界最大の民族」と呼ばれ、埼玉県だけでも約2000人が住んでいる
ところが、難民申請が認定されたケースはゼロに等しいという
上のグラフは、2021年の難民認定数と率の各国比較(難民支援協会サイトより)
地理的な理由もあって申請数が少ないことは予想できるけれど、圧倒的な率の低さについてはどう理解していいのかわからない
理由として、「政府から個人的に狙われていなければ難民ではない」という定義に加え、難民であることを証明する様々な書類を本人が揃えなければならないという(そうした準備が叶う状況であることの方が稀だろうに)非現実的なハードルの高さがある
埼玉県の、川の向こうは東京というエリアの高校に通う17歳のクルド人・サーリャ(嵐莉奈)
学校では面倒なのもあって「ドイツ人」で通している
幼い頃に日本に来て、数年前に母親を亡くし、今は父マズルム(アラシ・カーフィサデー)と妹のアーリン(リリ・カーフィディサー)、弟のロビン(リオン・カーフィディサー)と4人で生活している
将来に夢は小学校の先生というサーリャは、教員資格がとれる大学に進学する為に、父親には内緒で、川向こう(東京都)のコンビニでバイトを始める
優しい店長(藤井隆)の甥で、東京の高校に通っているバイト仲間の聡太(奥平大兼)とも仲良くなり、充実した毎日を送るサーリャだったが、ある日難民申請が不認定になったという知らせが入る
それは父親が働くことも、許可なく埼玉県外に出ることも許されない状況を強いられることを意味するものだった
難民受入れの問題といい、技能実習生の扱いといい、なかなかブラックな我が国
もちろん受け入れには教育や、日本の暮らしへの順応など課題もあり、簡単な問題ではないだろうけれど、「難しいからゼロ解答」ではなく、今から「現状考えられるベスト」を実施するべきだろう
そうしないと、サーリャの家族らも救われないし、近い将来(例えば少子化の解決策として)急に受入れ初めて、大混乱なんてことになりかねない
問題提起的な意義も大きいけれど、映画としてもよく出来た作品