引用元:filmarks.com
時は1965年、まだ白人にしか投票権が無かったアラバマ州での話
有名なモンゴメリー・バス・ボイコット*は、この10年前に同州で起きた運動
* 黒人女性のローザ・パークスが公営バスの黒人席に座っていたところ、席の無い白人から席を譲るよう促されたものの断り、改めて白人のバス運転手から席を譲るよう命じられたものの、これも拒否し「人種分離法違反」により逮捕された これに対しキング牧師からが、市民に向けてバスのボイコットを呼びかけたことから、この運動を「モンゴメリー・バス・ボイコット」と呼ぶ
夫からのDVに耐えかねて殺害してしまったルシール(メラニー・グリフィス)は、彼の首を切断してバッグの中にしまい、女優になるべくハリウッドに行こうとする
生前の夫は、妻を自由にさせまいと常に妊娠させていたせいで7人もの子供がいたが、ルシールは全員を母親に預け、夫の首の入ったバッグを車に積んで家を後にする
突然7人もの子供を押し付けられてしまったルシールの母・ミーモウ(サンドラ・シーキャット)は、その世話で手一杯となり、居候中だった甥のワイリー(デヴィッド・スペック)と、その弟のピージョー(ルーカス・ブラック)は、ミーモウの息子・ダヴ(デヴィッド・モース)に預けられることに
そんなある日、地元の公営プールで泳いでいたピージョーとワイリーは、(裏のフェンスの隙間から敷地に入ってきた)友人のテイラーが、監視員と揉めている様子を目にしショックを受ける
プールは白人専用だという監視員の主張で、一度は追い出されるテイラーだったが、その後仲間と一緒に再びプールに来て、入り口で座り込みを始める
クレイジーな母親が、体当たりな逃避行を続けながらも女優へのステップを踏んでいく様子と、田舎町のオトナたちに不満を抱えながら日々を過ごすピージョーの成長が、同時に描かれていく
コミカルなロードムービーと、社会派の青春映画がバランス良く共存している作品だなと思っていると、母親の方も夫を殺害するに至った経緯が掘り下げられたりして、思いの外真面目な映画だった
この辺りが、アメリカ映画とはいえ監督がアントニオ・バンデラスらしい
ど真ん中ストレートではなく、欧州(しかもスペイン)の屈折感というか、ペドロ・アルモドバル監督臭さえ感じさせる
明日は、「結婚はもう懲り懲り」なんてアテにならないなあ、という作品をご紹介