引用元:filmarks.com
2012年のドイツ・フランス合作
メル・ギブソン監督の同名タイトルもあるけれど、本作はブライアン・デ・パルマ監督
こちらの方が後発だし、「パッション」でなければいけない内容でもないし、どうして他のタイトルにしなかったのだろうか?
デ・パルマ監督作品は一般的に「当たり外れが大きい」と言われているけれど、個人的にも激しく同意
本作もおっかなびっくりで鑑賞
大手広告代理店のベルリン支社の部長として働くイザベル(ノオミ・ラパス)は、上司で重役のクリスティン(レイチェル・マクアダムス)からその才能と献身的なハードワークを認められいい関係を築いていた
クリスティンが急用で穴をあけそうになったロンドン出張も、イザベルが代理で無事にこなし事なきを得る
しかし、パーティーの席で飲み過ぎて饒舌になったクリスティンの同僚から、ロンドン出張は「行きたくなくなったクリスティンがイザベルに押し付けたもの」だと分かり、また自分の功績をクリスティンに横取りもされ、それまでクリスティンの無茶ぶりを従順に受け止めてきたイザベルも我慢の限界に達する
そんなイザベルも、彼女のアシスタントのダニ(カロリーネ・ヘルフルト)を小間使いし、ロンドン出張に同行していた同僚でありクリスティンの恋人でもあるダーク(ポール・アンダーソン)と関係を持ち、またクリスティンに黙ってプロジェクトを進め(予想外の高評価を内外から得る)と、まるでクリスティンへの仕返しをするかのような行動に出る
そんなイザベルを行動が不愉快なクリスティンからの嫌がらせは、さらにエスカレートしていく
前半はファッショナブルな職場での女性同士のブラックな上下関係を描いた「プラダを着た悪魔」的なストーリー
それはそれで面白いのだけれど、そこから両者の怒りがこみ上げて、ヒッチコック的なクライム・サスペンスに発展する
前半の展開が好きな人でも、デ・パルマの面目躍如的な後半も楽しめる自然な(?)展開
本作では、クリスティンの言いなりで会社の金を横領していたダーク以外に男性の登場は(ほとんど)なく、ストーリー展開に関係するのは女性のみ
ジェンダーバイアス測定のベクデル・テストは楽々パスする(2人以上の女性が登場し、女性同士で会話し、その話題が男性以外のものが含まれること)だろう
とはいえ、女性同士の醜い争いを描いた本作がその観点で推奨されるのか?については大いに疑問