アメリカで中絶を巡る議論が再熱している
カトリックの保守派は中絶や避妊さえも反対していることがあり、この問題には宗教がベースにあることから、根深い問題になっているのだろう
よく例に挙げられるように「例えばレイプされた場合でも」など特殊なケースもあるから、
「100対0という風に白黒つけられる問題ではないだろうに、、」
と思ってしまうけれど、宗教が根っこにある分、(特殊なケース云々ではなく)主義として正しいか否かという議論になれば、白黒つけざるを得ない難しい問題なのだろう
話題の是枝監督の韓国映画を観てきた
クリーニング店の店主サンヒョン(ソン・ガンホ)と、キリスト教会の施設で働いているドンス(カン・ドンウォン)は、ドンスの施設にある「赤ちゃんポスト」に持ち込まれる赤ん坊を子供を欲しがっている夫婦に提供する「ベイビー・ブローカー」をしていた
ある雨の日の夜、ソヨンという母親(イ・ジウン)が施設に赤ん坊を持ち込む
いつもの様にふたりが持ち帰った後、自分がした行為を考え直し翌日取り戻しに来たソヨンは、施設に自分の子が居ないと知り警察に電話しようとする
ふたりは慌ててそれを止め、自分たちの仕事について上手に説明し、分け前をソヨンにも与えると約束し、買い手探しを始める
そして彼らを尾行しているアン刑事(ペ・ドゥナ)とイ刑事(イ・ジュヨン)は、現行犯での逮捕を目指し、赤ん坊と金銭の受け渡しをする場面を狙っていた
「タクシー運転手」のソン・ガンホ、「ほえる犬は噛まない」のペ・ドゥナ、「野球少女」のイ・ジュヨンなど、そんなに韓国映画に詳しくなくても観たことのある豪華なキャスト
思いがけず長い逃避行の中、情が移らないように赤ん坊に話しかけようとしないソヨン、ソヨンに裏切られている可能性に薄々気付いてはいながらも(結果としてソヨンが人生をやり直せるのなら)受け入れようとする二人、そしていつ終わっても不思議のない旅の刹那に溺れる三人が幸せそうに感じてしまった
レビューでは不満足という声もあるようだけど(それほど多くの人たちが観に行ったから?)、個人的には心地良い余韻に浸るほどに満足