引用元:filmarks.com
2002年(その後2014年にも)に舞台化されたものを2010年に映画化
タイトルには惹かれなかったものの、行定勲監督作品ということで鑑賞
俊介(豊川悦司)は、かつては才能あるカメラマンながら今では毎日遅くまで寝ては、部屋でゴロゴロして煙草を吸ったりパチンコに出かけたり
本業の写真もしばらく撮っていない
そんな俊介に小言を言いながらも献身的に支える妻のさくら(薬師丸ひろ子)とは、子供をつくることも含めた将来的な話でいつも喧嘩が絶えない
かつての俊介の評判を聞きつけて(男女の仲になってでも)写真を撮ってもらいオーディションに受かろうとする蘭子(水川あさみ)、その蘭子の写真を結局は撮ることになる助手の誠(濱田岳)、そして事務所兼自宅に出入りする謎のオカマ、ブンちゃん(石橋蓮司)
この5人以外が登場するシーンをカットして(ストーリー上もそんなに必要性を感じられない)その分彼らの演技をもっと堪能したいと思わせるほどに、それぞれの役どころを押さえた演技に惹かれる
観終わってから心地よい余韻に浸れる作品
ベーシックなストーリーには若干強引な部分はあるもののシッカリした骨格が感じられ、台詞にも夫婦や親子の機微のようなものがしっかり織り込まれていて、味わい深い邦画作品が持つ空気感のようなものが(特に後半には)溢れている
妻が夫を「いい加減で何も考えていない」と思う様子と、
夫が妻を「しつこくて鬱陶しい」と感じるのは、
程度の差こそあれ古今東西、万国共通なのだろうけれど、そんな普遍的なテーマで観る側を共感させ引き込んでいく魅力に圧倒される